3分野8名が所属、日本eスポーツリーグに参戦

東京ヴェルディ1969フットボールクラブは22日、「東京ヴェルディeスポーツチーム」の体制発表を行った。FIFA部門、BLAZBLUE CENTRALFICTION部門、OverWatch部門というマルチゲーミングチームとなり、登録選手はFIFA/BLAZBLUE CENTRALFICTIONが各1名、OverWatchが6名の計8名となる。

今回契約となった8名の選手。FIFA部門とBLAZBLUE CENTRALFICTION部門が一名づつ、OverWatch部門が6名所属する

東京ヴェルディ1969フットボールクラブは2016年9月、e-Sports部門を設立する――という発表を行っている。

会見ではまず、同社経営企画部 部長の常田幸良氏が挨拶。「(e-Sports部門設立は)大きなチャレンジであるとともに、e-Sportsを通じて多くの方々に東京ヴェルディというクラブの魅力や価値を知って興味を持ってもらいたい」と話した。また、「戦う以上は強いチーム、東京ヴェルディとしてふさわしい選手になってほしい」と語る一方、事業採算性の取れる、身の丈にあった運営が重要であるとも語った。

東京ヴェルディ1969フットボールクラブ 経営企画部 部長の常田幸良氏

東京ヴェルディが戦う場は日本eスポーツリーグとなる。日本eスポーツリーグ代表の筧誠一郎氏は今週末(2016年11月26日)から開始されるリーグ戦に「東京ヴェルディのようなリアルなスポーツチームが参加したことが業界で話題となり、リーグの発展に繋がるだろう」とコメント。日本のリーグ戦を通じて、選手が世界で活躍するシーンを作っていきたいという。

日本eスポーツリーグ代表の筧誠一郎氏

"東京ヴェルディファミリーの一員"として

チームの概要は、東京ヴェルディ1969フットボールクラブの森太郎氏が説明した。

ユニフォームに関しては、今シーズンのユニフォームをベースに、スポンサーロゴだけが異なる構成を予定。エンブレムもサッカーのエンブレムをベースに、東京ヴェルディが運営するバレーボールやトライアスロンとも共通性を持たせたものとなっている。

東京ヴェルディ1969フットボールクラブの森太郎氏

東京ヴェルディeスポーツチームのユニフォーム。まだ確定ではないという

(参考)クラブハウス内に飾ってあったフットボールチームのユニフォーム

主な活動は日本eスポーツリーグへの参戦だが、これだけにとどまらず他の活動も展開。国内外の大会や、イベント参加の準備を進めているという。

特に東京ヴェルディの独自イベントとして、味の素スタジアムでサッカーと一緒にイベントを共催するなど「東京ヴェルディを好きになってもらう施策」を考えているという。この辺りはクラブチームを運営しているノウハウや企画力で、他のe-Sportsチームにない展開が期待される。

チーム体制に関しては、FIFA部門の選手のトライアウトを実施したが、他の部門ではe-Sportsで実績のあるブレイクスルーと連携し、プロゲーマーチームからのレンタル移籍という形でメンバーを集めている。また、東京アニメ・声優専門学校生徒のインターン活動や設備を使って、イベント業務やプロモーションを連携して行っていく。

Lenovoがオフィシャルパートナーに

スポンサーとオフィシャルパートナーとしてレノボ、産学連携パートナーとして東京アニメ・声優専門学校。ユニフォームは東京ヴェルディ同様にアスレタ、そして今回日本に進出するオランダのゲーミングメーカートラスト・ゲーミングとパートナー・サプライヤー契約が合意したという。

スポンサー企業のひとつ、レノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏は「e-Sportsに関しては、すでに海外ではサポートしているが、日本では初めての取り組み」であると述べ、才能あふれる選手が世界のトップを目指すことへ期待をみせた。

レノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏

ユニフォームと共にゲーミングPCも展示。選手の練習用として貸与される

なお、FIFA/BLAZBLUE CENTRALFICTION/OverWatch以外のゲームへの取り組みや「このゲームならスポンサーになりたい」というスポンサー企業からの提案も考慮するなど、幅広く活動するマルチゲーミングチームを目指すようだ。

また、JFA(日本サッカー協会)も2016年11月、「eスポーツのサッカー競技(eサッカー)事業の創設に向けて準備を進めていくこと」を理事会で承認しており、森氏は東京ヴェルディのe-Sports活動が、他のクラブの参考になることに期待を寄せていた。