マレーシアでもスターバックスコーヒーは人気だ。ただし、日本のとはちょっと違う店舗がある他、「なぜそれを混ぜたの!? 」と聞きたくなるようなドリンクもそろっている。今回、ペナン島で遭遇した、胸躍るスタバを紹介しよう。

スタバ人気は世界共通。しかしご当地メニューは土地柄を表している!? (c)Koki Matsunaga

リゾート地にスタバのギア&グルメ

2008年に旧市街の一部がマラッカとともに世界遺産に認定されたペナン島は、ここ数年観光客が順調に増えている。旧市街のノスタルジックな雰囲気もさることながら、もともとペナンはビーチリゾートとしても人気の場所でもあり、なかなかのリゾート地でもある

というわけで、おしゃれホテルがある他、ナイトマーケットが開催されることで知られるバトゥ・フェリンギ地区にも当然スタバがあるのだが、このスタバはもう完全なるリゾート仕様。ビーチに面しており、ビーチへのアクセスがあるのはもちろん、ホワイトサンドの上にデッキチェアが設置されており"いつもの"を片手にリゾートなコーヒーを楽しむことができる。

インドアはもちろん、アウトドア席も多い。週末などかなり混み合いそう (c)Koki Matsunaga

ビーチが目の前! ビジネス仕様ではなくリゾートなスタバ (c)Koki Matsunaga

なんてナイスなシチュエーション……とうっとりしたのもつかの間、え、なにこれ? っと思わずおののくオリジナルぶりに取材チームはざわついた。まず「おおお! 」と歓声があがったのは、スターバックス本社にしかないと思われたスターバックスグッズショップ「スターバックス・ギア」があったこと。マレーシアオリジナルのマグカップはもちろん、Tシャツやスタバエプロンをしたテディベア"ベアリスタ"など、スタバファンには垂涎の品々が並ぶ。

スターバックス・ギア店内にて。"ベアリスタ"はスタバマレーシアのエプロンを着用

そして、メニューに目を転ずると、またも驚きが! グラーシュ(オーストリアやハンガリーの料理で、牛肉ひき肉のシチュー)をかけた細いパスタとか、チキンラザニアとか、とにかくパスタメニューがあるだけでも驚きなのに、なかなか本格的なラインナップなのだ。パンやスイーツなどの手軽に楽しめるメニューが並ぶ日本のスタバとは違い、マレーシアではスタバはお食事処でもあるらしい。

食事らしいメニューはパスタのみ。しかしそれだけでもかなり気になるインパクト

抹茶とエスプレッソがマレーシアで出会った

残念ながら、この時はランチ後のドリンクを買うために立ち寄ったので、パスタをオーダーするほどお腹に余裕がなかったのだが、他にも気になるメニューを発見。「新作」として紹介されていた、フルーツティーなどに混じっていた「Matcha Espresso」(Gサイズ16MYR=約400円)である。

目にやさしい色合いのグラデーションもなんとなくしゃれおつに見えてくる「Matcha Espresso」(Gサイズ16MYR=約400円) (c)Koki Matsunaga

いや、確かに抹茶は世界的ブームと言えるくらい、なんでもかんでも抹茶味な昨今だが、だからといってエスプレッソを抹茶味にするっていかがなものか。「ケシカラン! 」という気持ちでオーダーしたのだが、やってきたソレは緑色から茶色へのグラデーションも美しい、なんとも素敵な一品であった。

なんにつけてもかなり甘めのマレーシアだが、混ぜずに浅いところにストローをさして飲むと、命名するならば"エスプレッソ&ミルク"である。底の方の抹茶部分は甘く、これをかき混ぜることで独特のテイストが生まれる。飲む前は、どちらかの風味が勝って謎の味になるのかなと思ったが、実際はほどよく香ばしく、また、抹茶の苦みもやさしくエスプレッソを応援する感じ。

混ぜると単なる抹茶ミルク風に。でもエスプレッソのおかげでかなり香ばしい (c)Koki Matsunaga

どちらも風味もなんとなく感じられ、そして甘すぎない。コーヒー通の人なら背徳感すら感じるであろう、意外なおいしさだ。さすがマレーシア。多民族国家で、それぞれの民族を尊重しつつ調和することが最重要な国なだけあって、こんなコラボこそ受け入れられるのかもしれない。

実は帰国してから知ったのだが、スタバのカスタマイズメニューの中では定番らしい、このエスプレッソ&抹茶。日本でもできるようなので、ぜひ試してみてほしい。

※1MYR=25円で換算。記事中の情報・価格は2016年10月取材時のもの