飽きられはしまいか

「将来はロボットにしゃべらせたい、冗談を言わせたいと思っているんですよ。ロボットには愛嬌も大事」などコメントした澤田社長。「舞浜の店舗は受付をジュラシック系にしたい。店舗によってタイプも変えていく」などといったことも明かした

とはいえ、ロボットの対応に感情はない。おもてなしの精神もない。ロボットの活用という目新しさだけで宿泊者は本当に満足できるのか、という疑念も残る。

澤田社長は初期の宿泊者のイメージとして「物珍しさ、ロボットみたさから」としつつも、「ホテルは満足度、泊まり心地、プライスの3つが重要だと思う」とホテルのあり方について話す。そのために宿泊者にアンケートをとり、小さな改善を積み重ねて満足度を挙げているという。

先にも述べたように、ロボットはあくまで生産性を追求したうえでの選択肢に過ぎない。そもそも、変なホテルの"変"の字には、"変わり続けることを約束するホテル"という意味が込められている。様々な新技術や自然エネルギーを取り入れ、進化していくのがコンセプトだ。100店舗体制を目指すにあたり、国内3店舗(ハウステンボス、舞浜、蒲郡)の変なホテルでノウハウを蓄積し、ハウステンボス店はこれからも実験的な施設として様々なトライアルの場としても考えているという。

それでも、このビジネスに懐疑的な見方をする人がいるかもしれないが、筆者がビジネスの可能性を感じたのは、採算ラインだ。

現在、宿泊費は1泊約1万5,000円から約3万円だが、「1泊5,000円でも利益が出る。今は人気がありますからこの値段でやらせていただいていますけれども、ビジネスホテルでも、カプセルホテルでも戦えるようにしたいと思ってる」(澤田氏)という。

100店舗体制を目指すにあたり、真価が試されるのはこれからになるが、話題性が薄れ、集客力が衰えても、コスト面で十分戦える余地があるというわけだ。新たなホテルビジネスの試金石になるに違いにない。ロボットだらけの変なホテル、話題性だけでは終わりそうになさそうである。