スマホで音楽を聴くスタイルが定着してきたが、一方でポータブルオーディオプレーヤーをスマホと"2台持ち"するユーザーが増えつつあるようだ。Androidスマホの中にはハイレゾ再生に対応する端末もあるし、音楽再生はスマホで十分だと思うかもしれないが、別途音楽再生専用のオーディオプレーヤーを携えるとどんなメリットがあるのか。パイオニアの最新ハイレゾプレーヤー「XDP-300R」を例に考えてみよう。

パイオニアの最新ハイレゾプレーヤー「XDP-300R」。スマホのように快適な操作性と、マルチアプリ対応による多機能性を実現した点に注目だ

スマホと2台持ちするメリットについてパッと思いつくのは、単体オーディオプレーヤーは専用のアンプやDACチップを搭載しているので、ハイレゾ再生に限らず「音がいい」こと。あと、スマホで音楽を聴いていると、不意に通話着信があったり、アプリの通知アラームが鳴ったりして煩わしく感じることもないだろうか。それに、音楽をはじめ、エンターテインメントコンテンツは単体プレーヤーで楽しむよう使い分ければ、結果としてスマホのバッテリーも長持ちする余裕が生まれる。

今回紹介するXDP-300Rは、パイオニアにとって2世代目のハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーだ。2015年秋に初号機である「XDP-100R」が発売されて以来、約1年ぶりのモデルチェンジとなる。実勢価格は60,000円台中頃で、音質と機能を極めた単体のハイレゾプレーヤーとしてはお手頃なプライスゾーンに落とし込まれている。

XDP-300Rは、OSにAndroid 5.1を搭載し、Android OSのプラットフォームで展開されているマルチアプリに対応した点が大きな特徴だ。約4.7型タッチパネル液晶、高性能CPUを搭載し、操作感もシームレス。スマホと比べても違和感を覚えることは少ないだろう。

音楽再生はタッチ液晶からだけでなく、本体側面の物理ボタンとハイブリッドで操作できる快適設計。SDカードスロットも2基搭載する

本体側面にボリュームダイアルを搭載。161段階の緻密な調節が可能だ

オリジナルアプリの「Music」を起動すると、音楽再生がとても直感的に操作できる。カバーアートの表示も高精細だ。本体の側面には音楽の再生・一時停止をコントロールできるボタンや、161段階で緻密にボリュームを設定できるダイアルも搭載しているので、ポケットに入れたままスムーズにハンドリングできる。ことに音楽再生の使い勝手を切り取って考えれば、間違いなくスマホよりも快適な操作性を実現していると言える。

約4.7インチの画面に高精細なカバーアートを表示。直感的に操作できるインタフェースを搭載したオリジナルアプリの「Music」

本体の内蔵ストレージは32GBなのでスマホとあまり変わらないが、側面に2基のSDカードスロットを備える。それぞれに最大200GBのSDカードを挿して使えるので、理論的には最大432GBまでの楽曲データが持ち歩ける計算になる。ファイル1件あたりのサイズが大きいハイレゾを中心に楽しむのであれば、とても頼もしく感じる仕様だ。