米フェイスブックは2016年第2四半期決算を発表したが、驚かされるのはその収益額だ。直近で発表された四半期決算では、70億1000万ドルもの収益を計上した。ちょうど5年前にあたる2011年の1年間の売上高が37億1100万ドルであったことを考えると、驚異的な成長を遂げていることが分かる。フェイスブックは、いかにして高い成長を維持しているのか、そして今後もこの成長ペースが続いていくのだろうか。

好調な領域とは?

フェイスブックの2016年第3四半期決算について、もう少し詳しく見ていこう。企業サイトには、決算報告が掲載されている

前述の通り、売上高は70億1000万ドルで、前年同期比で56%増加した。これは主に、広告から得られる収益の成長によるもので、広告の収益は前年同期比59%増を記録している。

フェイスブックの売上は前年同期比で順調に推移(フェイスブック公開資料より)

ユーザー動向で注目すべきはモバイルユーザーだ。今期初めて、モバイル月間ユーザーが16億6000万人と、20%増加した。全体の月間ユーザー数は17億9000万人で、こちらも前年同期比で16%成長している。これにより、モバイルユーザーから得られる広告収益は全体の84%を占めるようになった。

売上増を支えるモバイルユーザー数も順調に増加(フェイスブック公開資料より)

こうしたことから、フェイスブックは、ユーザーのモバイル化と、モバイル広告の売上の好調さから、非常に高い収益性を確保するに至ったことが分かる。

この成長を自ら止めると宣言するフェイスブック

非常にめざましい結果を見せたフェイスブックの決算だが、カンファレンスコールでは、将来的な収益の見通しに対して、ネガティブな見方を崩していない。これは毎度のことだが、売上成長率の鈍化についての指摘がなされている。

現在の広告から得られる収益の成長を、自ら止める、という趣旨の発言をしているのだ。もう少し正確に言えば、「アド・ロード(Ad Load)」を減少させると宣言している。

ここで登場するアド・ロードとは、フェイスブックのタイムラインに広告が出現する頻度のことを指す。単純な話だが、広告出現の頻度が下がり、人々がフェイスブックのタイムラインに滞在しているときに広告が出にくくなれば、当然のことながら広告から得られる収益は減少することになる。つまり、人々が目にする可能性がある広告を減らすから、集積は今後いままでのようには成長しない、という意味なのだ。