iOS 10における大きなトピックには、音声アシスタント・Siriの開発フレームワーク「SiriKit」の公開が挙げられる。これまでは、Siri対応アプリはAppleしか開発できなかったが、これからはサードパーティーも開発できる。
SiriKitは、「Intents」と「IntentsUI」という2つのフレームワークで構成され、サードパーティー製アプリから利用できる機能は音声/映像の呼び出しとメッセージング、Apple Payによる決済、写真の検索、乗車予約、運動管理に限定される。サードパーティー製アプリのあらゆる機能を言葉で呼び出せるわけではないのだ。
SiriKitでは、システムとアプリの連携(インテント)により機能が提供される。Siriが言葉による命令を受け取ると、Intents/IntentsUIフレームワークの働きにより、インストール済のアプリがどのようなサービスを提供できるかを定義ファイルで調べ、対応するアプリに処理を引き継ぐ。Siriは仲介役として連携対象のアプリを特定し、そのアプリが持つ機能を呼び出すというわけだ。
どのアプリがSiriに対応しているか(SiriKit経由で機能を呼び出せるか)は、インストール前ならばApp Storeの紹介文などでチェックするしかないが、インストール後であれば『設定』の画面を見ればわかる。『設定』→「Siri」の順に画面を開き、いちばん下にある「Appサポート」をタップしてみよう。そこに表示されたものがSiriKitを使用するアプリで、スイッチを操作すればSiri経由での呼び出しを有効化/無効化できる。それほど多くないかもしれないが、今後は増えていくこと確実だ。