インヴァスト証券は11月7日、「シストレ24フルオート機能説明会」を東京・日比谷で開催した。このレポートでは、説明会の様子をお伝えする。

「シストレ」の弱点をカバーする機能に

そもそも「シストレ(System Trade,Algorithmic trading)」とは、事前に一定の売買ルール(ストラテジー)を決め、それに応じて機械的に取引を行う投資方法。インヴァスト証券の場合、投資家が自分に合ったストラテジーを選び、それに基づいてFX売買を行う選択型自動売買FXサービス「シストレ24」を提供している。

機械的に取引を行うシストレは、経験の浅いFX初心者でも比較的参入しやすいと言われている。しかし、全ての相場で絶対に勝てる最強ストラテジーというものは存在せず、それまで優秀な成績を残していたストラテジーも相場が変わると負けてしまうということがある。そのため、相場に合っていないストラテジーは外し、勝てるストラテジーに入れ替える必要があるのだが、どのタイミングで入れ替えるべきかを見極めるのは難しい。

シストレ24の弱点

6,500超のストラテジーから自動選択

そこで同社がリリースしたのが新機能の「フルオート機能」だ。ストラテジーを単体で運用し、相場に合わせてリレー形式で売買プログラムを自動選択・入れ替えするサービスで、インヴァスト証券マーケティング部セールスプロモーション課 河田泰治さんは次のように語る。

「フルオート機能は、6,500超のストラテジーの中から、設定条件にあったものを自動で選び出すというものです。野球で例えると『30歳以上でコツコツヒットを打つ打者』『ここぞというときにホームランを打つ打者』など。一番調子の良いものを自動でセレクトする仕組みとなっています」(河田さん)

フルオートは全部で27種類(11月7日時点)で、その中から自分にあったものをセレクトする。例えば『金の卵トップ1 実現T50』は一年を通して累積損益が上昇しているストラテジー(『金の卵』ステータス)を集めたもの、『ベテラントップ1 実現T50』は長期間のデータがあり、取引に信頼性があるストラテジー(『ベテラン』ステータス)を集めたものがあるという。

フルオート機能の弱点とは

もちろん、FXである以上、「シストレ24フルオート機能を使えば絶対にもうかる」というわけではない。河田さんによると、フルオート機能には次のような弱点があるという。

「フルオート機能は『ある程度の上昇と停滞を繰り返す』という特性を持つため、成績が伸びない時期もあります。自動売買プログラムというものは、人の判断だとズルズル保持してしまうところを、バサッと切って次に行くというもの。この『損小利大』は、相場が動いているときに成り立ちます。損小利大が多いストラテジーを選択した場合、相場に動きがないと上がらないという状況が起こりうる。その間に下がると、損切りされてしまうこともあるのです」(河田さん)

フルオート機能に向いている運用方法

運用開始直後や相場に動きがない時期は成績が伸び悩むという弱点があるフルオート機能。だが、例えば先日行われた英国民投票やアメリカ大統領選のように、大きな相場変動が大きなチャンスとなることもある。「フルオート機能は相場が動き出したときに一気に成長する形となるので、中長期での運用に向いている」(河田さん)とのこと。

フルオート機能は気付きのポイントにも

説明会ではフルオート機能の説明のほか、人気FXブロガーの講演も行われた。登壇したのはブログ「普通の主婦がFXで10万円を300万円にした(継続)」管理人のゆきママさん。自身もフルオート機能を使ってトレードをしているそうで、講演では次のように語っていた。

「自動売買は利食い・損切りを感情に左右されずに行うので、心理面の負担を減らすことができると感じます。一定のラインで損切りするので、最悪の状況になりにくいのではないでしょうか。裁量が苦手な初心者も勝率の高いストラテジーを参考にすることができるので、資産運用を成功させる"気づきのヒント"になると思います」(ゆきママさん)

おわりに

FXにかぎらず、資産運用では「もう少し行けるかも」「もしかしたらまだあがるかもしれない」という心理状態に左右されて、大きく損をしてしまうことがままある。また、そのストラテジーが生み出した過去の利益や運用成績にとらわれて入れ替えのタイミングを逃し、「あのとき入れ替えておけばもっと儲かったのに……!」と悔しい思いをした人もいるかもしれない。

その点、自動でストラテジーを入れ替えるフルオート機能は、事前に定めたルールに基づき、機械的に(ある意味非情に)トレードを行う。そこには、ゆきママさんが指摘するとおり心理的負担を減らす効果があるかもしれない。FXによる資産運用に悩んでいる人は、新たな選択肢として考えてみるのも良いだろう。