最新版では、システムにロングライフバリューを提供

オープンストリームは11月1日、「Biz/Browserフォーラム 2016」を開催した。導入事例なども多く紹介された同フォーラムでは、業務システム専用プラットフォームの最新版「Biz/Browser DT」の目指すところ、その新機能についての紹介も行われた。新製品のコンセプトについては、「『新Biz/Browser』その可能性と展望」と題して、オープンストリーム プロダクト事業部 事業部長 芝村健太氏が語った。

オープンストリーム プロダクト事業部 事業部長 芝村健太氏

Biz/Browserは1999年の誕生以来、業務システム専用プラットフォームとして多くの日本企業に導入されてきた。当時、クライアント/サーバ型システムからWebシステムへの移行がすすむ中、データの一元管理にはたけているものの操作性に課題のあったWebシステムの使い勝手を向上させるために、業務システム向けの画面開発・実行環境として登場したのがBiz/Browserだ。

「Biz/Browserのコンセプトメッセージは、ロングライフバリューであること。生命保険の広告のような言い回しだが、システムの生命保険だと考えている。あらゆる環境変化に対応し、既存のIT資産を有効活用でき、運用・保守のメンテナンスが容易であるため、長いITの変遷の中でBiz/Browserを使っておけば安定的にユーザーの期待に応えられる環境を約束する」と芝村氏は語り、今後の変化にも対応して行くための新しい製品として新製品「Biz/Browser DT」の紹介へと引き継いだ。

Biz/Browserの新たなコンセプトメッセージ「ロングライフバリュー」

「Biz/Browser DT」の詳細な紹介を担当したのは、オープンストリーム プロダクト事業部 開発部 部長 山根浩樹氏だ。

オープンストリーム プロダクト事業部 開発部 部長 山根浩樹氏

Biz/BrowserにはWindows PC向けの「Biz/Browser V」、スマートデバイス向けの「Biz/Browser SmartDevice」、ハンディターミナル向けの「Biz/Browser Mobile」といったシリーズ製品が存在するが、「Biz/Browser DT」はこのうち「Biz/Browser V」の後継モデルにあたる。山根氏はBiz/Browserの特徴や「Biz/Browser DT」の位置づけなどについてあらためて解説した。

Biz/Browserの提供するコアプロフィット

「Biz/Browser DT」は「Biz/Browser V」の後継に当たる

「これまで提供してきたロングライフバリューという価値を、より多くの業務シーンに、今後10年、その先にも提供しつづけて行くことをコンセプトに企画・開発を進めている。価値を維持したまま、利用範囲の拡大を目指している」と語った山根氏。続けて、「Webブラウザと統合したことで、Webシステムとの親和性をさらに向上させたほか、UIUXの強化による用途の拡大、マルチOS対応による利用端末の拡大といったことでロングライフバリューをより明確に指向した製品」と「Biz/Browser DT」について紹介した。

「Biz/Browser DT」のバージョンアップポイント

画面表現力の強化やグローバル対応など新たな機能を提供

具体的なアーキテクチャおよびデモンストレーションの解説を担当したのは、オープンストリーム プロダクト事業部 技術統括 大矢義憲氏だ。

オープンストリーム プロダクト事業部 技術統括 大矢義憲氏

「Biz/Browser」の誕生時から開発に関わってきたという大矢氏は、当時の非力なマシンで快適な操作性を実現するために行ってきた技術的な工夫や、当時の利便性を考えて採用した仕様などについて語った上で、新たな「Biz/Browser DT」では現代のマシン性能とビジネス需要に応える形にさまざまな変更を行ったことを紹介。

開発環境の64ビット化、文字コードのUnicode化、Windowsアーキテクチャから脱却してMac/Linuxへ対応可能にし、IEからChromiumへとWebコンポーネントも変更した。コンパイラ・仮想マシンの再設計による高速化に加えて、描画システムも刷新してハードウェア描画の支援を受けられる形にしたことで、処理・描画の速度も向上しているという。

「Biz/Browser DT」に搭載された新アーキテクチャ