Pixelの発表でGoogleが「iPhoneを上回る」とカメラ機能をアピールしたため、カメラが大きな話題になっているが、使ってみて明らかな違いを感じるのはレスポンスの良さである。ホーム画面の切り替えやアプリ一覧の表示といったUIから指紋認証によるログイン、アプリの起動など、細部まで全てがサクサクと動作する。

レスポンスよくUIが動き、快適にアプリを切り替えられる

優れた機能を搭載していても、レスポンスが悪いと体験は台無しになる。Androidのカメラ・アプリが、その代表例だ。Nexus 5Xでは、カメラの起動や合焦が遅く、撮影したい時に間に合わないという不満が噴出した。アップデートで改善したものの、撮影以前の課題があらわになった。Pixelは、暗いシーンでの撮影に強い1.55μmピクセルピッチのセンサーを搭載する。でも、それを活かせるのもシャッターチャンスを逃さないキビキビとした動作があってこそだ。以下は、Pixel XLの主なスペックである。

  • ディスプレイ:5.5インチ(2560×1440、534ppi) AMOLED
  • プロセッサ:Snapdragon 821 (クアッドコアCPU:2.15Ghz+1.6Ghz)
  • メモリー:4GB
  • ストレージ:32GB、128GB
  • 背面カメラ:12.3メガピクセル、F2.0レンズ、CRI-90デュアルLEDフラッシュ
  • 前面カメラ:8メガピクセル、F2.4レンズ
  • ワイヤレス:Wi-Fi (802.11 a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2、NFC
  • バッテリー:3,450mAh (インターネット利用:最大14時間、ビデオ再生:最大14時間)
  • サイズ:154.72×75.74×7.31~8.58ミリ
  • 重量:168グラム

F2.0よりも明るいレンズを搭載したスマートフォンはすでにたくさん存在する。Pixelは光学式手ぶれ補正を搭載していないし、防滴・防塵がIP53であるなど、スペック的には平凡である。Geekbench 4のスコアにも驚きはなく、iPhone 7シリーズの方が速い。それでも、iPhone 7 Plusユーザーが満足できるぐらい快適な使用感を実現している。その理由が、ハードウエアもGoogleが設計し、体験の向上を目標にハードウエアとOSを最適化させた結果だとすると、最新スペックのハードウエアにピュアAndroidを載せただけのNexusシリーズでは不十分という主張にも納得できる。それはまた、過去にプロセッサのコア数やスピード、画面の大きさや解像度といったスペックで上回ることをアピールしてきたAndroid端末が高価格帯市場でiPhoneに勝てなかった理由でもある。