兵庫県・神戸の三宮にある「八代目 中村精肉堂」(神戸市中央区)は、骨付き肉専門店として注目の店。看板メニューの「オーロラトマホークステーキ」をはじめとした人気メニューの紹介に加え、店のコンセプトなども紹介しよう。

大迫力の「オーロラトマホークステーキ」を食らえ!!

オーナー自らの目と舌で選んだ骨付き肉がズラリ!

「八代目 中村精肉堂」は、オーナーの植田隆広さんが3年ほど前にインターネットでとある店の骨付き肉の存在を知った時から温めてきたアイディアを具現化した店だ。

「肉で最もおいしいのは骨の周囲と言われています。ビジュアルもインパクトがありますし、骨付き肉を食べている時って静かなのにハッピーな感じが伝わってくる。お客さま全員が骨付き肉を食べる骨付き肉専門店なら、店中がハッピーな雰囲気で満たされるんじゃないか? と考えたんです(笑)」。

「八代目 中村精肉堂」外観

そんな「八代目 中村精肉堂」では現在、「オーロラトマホークステーキ」(13円/1g)と「Tボーンステーキ」(18円/1g)をはじめ、「茶美豚味噌漬けスペアリブ」(626円)、「骨付きよだれ鶏」(842円)など10種類のメニューを用意。加えて牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉のオリジナル創作メニューを提供している。

「提供する骨付き肉は、すべて私自身が工場や出荷先を訪れて安全性や品質を確認するのはもちろん、試食しておいしいと感じたものだけを仕入れています」。

また、骨付き肉以外のメニューもこだわっている。

「メインの骨付き肉を召し上がるお客さまには、がっつり肉を食べた気分になっていただきたい。その分、それ以外のメニューは、できるだけ軽めに仕上げています。だから女性でも結構たくさん食べていただけます。ステーキからピザ、揚げ物……みたいな重いメニューばかりだとしんどいじゃないですか(笑)」。

そういった細かな配慮が随所に施された店が「八代目 中村精肉堂」なのだ。

「八代目 中村精肉堂」内観。骨付き肉を食べる、静かでハッピーな時間が流れる店内だ

「オーロラトマホークステーキ」は看板に偽りなし!

看板メニューのオーロラトマホークステーキは、一般的にリブロースと呼ばれる部位で、あばら骨が付いた状態で調理、提供される。オーダーすると、まず真空パックされた生のオーロラトマホークステーキがカゴに乗って運ばれてくる。これがかなりの迫力だ。それぞれのパックには肉の重量が書かれてあり、それを見ながら好みのサイズの肉を選ぶ。

「オーロラトマホークステーキ」(13円/1g)のオーダーは、真空パックの生肉から好みのサイズを選ぶところから始まる

肉のサイズ感は、植田さんによると「オーロラトマホークステーキは1パックあたり約700~900gあり、すべて30日間熟成した熟成肉です。このぐらいのサイズでおおよそ2~3人前ですね」とのこと。

選んだ肉は、一度キッチンに戻されて調理される。

「味付けは、塩とコショウ、オリジナルのハーブスパイスと至ってシンプル。熟成肉なので肉の旨みがしっかりしている上、脂身の甘みが抜群においしいんですよ。しかも熟成によってクドさが抑えられています。ですから普通のサーロインステーキなどよりもさっぱりしていて、たくさん食べられると思います」。

焼きあがった「オーロラトマホークステーキ」

焼き上がって登場したオーロラトマホークステーキは食べやすいようにカットされている。粒マスタード、旨辛味噌、ペッパーペーストなど、好みのソースにつけていただこう。肉の旨みと甘みが口いっぱいに広がる。

食べやすいようにカットされて提供

そして最後は「骨の髄までしゃぶりつくせ! 」という店のコンセプトにふさわしく、骨周辺の肉をしゃぶり尽くすように味わう。この時ばかりは、「静寂こそが幸せの証」なのだ。

骨付き肉以外も必食の品々が勢ぞろい!

「八代目 中村精肉堂」は骨付き肉専門店だが、骨付き肉以外の肉メニューも侮れない。今回は、そんな骨付き"じゃない"肉メニューを2品を植田さんにご紹介いただくことに。まず1品目は「馬タンのカルパッチョ」(842円)だ。

「メニュー名の通り、馬のタンの外側だけに火を通し、カツオのたたきのような感じに仕上げています。ポイントはワサビやハーブを使ったドレッシングソース。つんとくるワサビやハーブの風味でサッパリ食べていただけます」。

サッパリいける「馬タンのカルパッチョ」(842円)

2品目は、「馬の髄までしゃぶりつくせ! 」(605円)。これは非常に珍しい、馬の脊髄をポン酢でいただく一品だ。

「一見、ふぐの白子に似ているでしょ。でも、馬の脊髄ですから白子とは全然違います。見た目の白さや食感は似ていますから、なんとも不思議な感覚になりますよ」。

珍味! 馬の脊髄をポン酢でいただく「馬の髄までしゃぶりつくせ! 」(605円)

この珍味を味わえる店は関西でも非常に少なく、あれば必ずオーダーしたい一品だ。ほかにも、魅惑的な肉やホルモンのメニューがめじろ押し。ぜひ一度訪れて確認してほしい。

また、肉の傍らに必須のお酒も、こだわりの銘柄がズラリ。その中でも日本酒は特筆ものだ。

「肉に合う酒として開発された『肉正宗』(896円)や、馬肉にマッチングさせる酒質設計で作られた『829GRILL』(918円)など、主役である肉とのマリアージュを楽しんでもらえる日本酒を用意しているので、ぜひ楽しんでください」と植田さん。

肉に合う日本酒も用意。左から、「肉正宗」(896円)と「829GRILL」(918円)

骨の髄までしゃぶり尽くして笑顔になる店づくりをめざす!

自らの足で生産者や加工業者、店舗を訪問し、自らが納得したモノだけを仕入れて提供する植田さん。今後の展開について聞いた。

「現在提供している骨付き肉は牛肉、豚肉、鶏肉ですが、さらに充実させていきたい。馬肉はもちろんのこと、鴨肉や鹿肉といったジビエもありますし、まだまだ新メニューを開発する余地はたくさんあります。自信を持って提供できる骨付き肉を探しだし、徐々に品ぞろえを増やしていきたいですね。また、骨付き肉はもちろんですが、それ以外のメニューでも珍しい肉やホルモンをインパクトあるビジュアルで提供し続けます」。

これからも進化し続ける「八代目 中村精肉堂」で、骨付き肉をしゃぶりつくそう!

●八代目 中村精肉堂
神戸市中央区加納町4-8-17 TAKAIビル1F
アクセス: JR、阪急、阪神「三宮」駅から徒歩6分
営業時間: 17時~24時(L.O.23時)
定休日: 毎週火曜日・月1回日曜日