日本で初めて清涼飲料用の自動販売機を導入し、飲料業界において売上1位を誇る日本コカ・コーラ。同社は1970年より東京都渋谷区に本社オフィスを構えて事業を展開、2013年に港区六本木「アークヒルズ サウスタワー」への仮移転を経て、7月25日にもとの 東京都渋谷区に新オフィスを完成させた。どのようなオフィスなのか、実際に行って見せてもらった。

日本コカ・コーラの新オフィス

「コカ・コーラ」ブランドを表現する外観

以前のオフィスはコンクリートで設計されていたが、新オフィスは外観をガラス張りにしたデザインとなっている。緑色がかったガラスは、アメリカ本社拠点地のジョージア州にある森にちなんで「ジョージア・グリーン」と呼ばれている。旧オフィスと比較すると、床面積が約9,800m2から1万2,103.93m2と、1.2倍の広さになった。

ちなみに、オフィスの高さは36.22mで、炭酸飲料「コカ・コーラ」のグラスボトル「コンツアーボトル」の約184本分(1本あたり197mm)。使用しているガラスの総量は、約187トンでコンツアーボトル約50万6,775本分(1本あたり369g)に及ぶ。

会社の"顔"のエントランスには製品を展示

エントランスに入ると、まず目に入るのが壁面にデザインされた巨大なコンツアーボトル。

壁面に巨大なコンツアーボトル

エントランスの様子

エントランスでは、同社の製品が一覧できる仕掛けになっている。「コカ・コーラ」「ファンタ」といった炭酸飲料以外にも、お茶や水、ジュースなど、同社がどういったものを取り扱っているかを、社外の人にも見て知ってもらいたいという意図がこめられているそうだ。

また、エントランスの床には、コンツアーボトルを輪切りにしたガラスや、クラッシュした破片を模様として扱う工夫も。消費者が使ったコンツアーボトルは再利用しており、製品用として使えないものを、こうしたオフィスの内装に使用している。

床をみるとコンツアーボトルでつくられた模様

オフィス内は「コカ・コーラ」がアクセントに

クラウン(王冠)を使って「コカ・コーラ」の炭酸をイメージした装飾

オフィスは、1階がエントランス、2階が社員専用のカフェテリア。3~6階は、社員が仕事するスペースとなっており、各フロアの床は基準色として、同社の主要なブランドのイメージカラーを使用している。3階が「ジョージア」の深みのあるブルー、4階が「アクエリアス」のブルー、5階が「綾鷹」のグリーン、6階が「ファンタ」のオレンジ。そして7階は会議棟となっており来客を通すことも多いため、「コカ・コーラ」のレッドとしているそうだ。

内装には、「コカ・コーラ」のコンツアーボトルやクラウン(王冠)が随所に使用されている。その数はトータルで、コンツアーボトル約1,890本分、クラウン約1万1,900個分。これによって、従業員の帰属意識や、ブランドロイヤルティを高めることを意図しているという。

7階の壁面にある「コカ・コーラ」のロゴ

近くで見るとクラウンが並んでいるのがわかる

各フロアの自動ドアにもコンツアーボトル

7階の床は「コカ・コーラ」をイメージしたレッド

トイレの標識も男性女性のマークにコンツアーボトル

車イスマークもコンツアーボトルを持っているマーク

このような視覚から入ってくる情報で、同社のブランドを体感できるような仕掛けがあらゆる場所にあった。