日本アルテラは11月1日、半導体やエレクトロニクス業界関係者を対象とした「インテル SoC FPGAデベロッパー・フォーラム2016(ISDF16)」を都内で開催した。同イベントの基調講演では、米Intelのプログラマブル ソリューション グループ プロダクトマーケティングプランニング担当副社長であるアレックス・ガービック氏が登壇し、今後のFPGA戦略について説明した。

米Intelのプログラマブル ソリューション グループ プロダクトマーケティングプランニング担当副社長 アレックス・ガービック

FPGA市場へのコミットメントを強調

ガービック氏は初めに「明確にしておきたいのは、(Intelが)FPGA市場にコミットするということだ。新製品に投資するとともに、長期にわたり製品ライフサイクルをサポートしていく」とFPGA市場に対するIntelの"本気度"を強調。同氏はさらに「Alteraのお客様は高水準のサポートに慣れている。Intelにおいてもそれが強みになると考えており、(ガービック氏が所属する)プログラマブル ソリューション グループにはAltera製品に特化したサポートチームを設けている」と語ったほか、ARMコア搭載製品を継続し、製品・サポートの両面においてAlteraの路線を踏襲していくとした。また、ガービック氏は14nm採用のStratix 10に触れ、「誠意をもって注力し、最高パフォーマンスのFPGAとしてこれから展開していく」と語った。

ガービック氏はFPGAのコミットメントへの本気度をアピール

"ゲームチェンジャー"として位置づけているStratix 10

続いてガービック氏は、Intelの戦略におけるSoC FPGAの位置づけについて説明。まず、背景の部分については「デジタルとフィジカルの世界の境界線が曖昧になってきている。コンピューティングはユビキタスになり、あらゆるモノがコネクテッドになった。例えば、携帯電話のアプリからビルまで、全てがクラウドにつながっている。大量のデータを収集し、分析することでより良い経験の提供が可能となる。しかし、スマホをフライトモードにすると、クラウドにつながらなくなり価値が失われてしまう。これは製造ラインなどでも同じで、クラウドへの接続によって価値が引き上げられている」とし、IoTを中心としたビジネス戦略において、クラウドとデバイスの接続性が価値創出に不可欠だとコメント。そうしたIoT環境にFPGAがもたらすメリットとして産業用IoTを例に「機器から収集されたデータはゲートウェイを通ってクラウドに送られる。自動車の組み立てラインだと各ラインに100以上のセンサーが設置されており、その全てからデータがクラウドに送られている。これに対し、ゲートウェイでの処理をFPGAで加速することでパフォーマンスを上げられる」と説明した。このほか、FPGAが強みを発揮する分野として、近年注目を集めるVR(Virtual Reality:仮想現実)や携帯電話インフラを挙げた。

IntelはFPGAをIoTにおけるキーテクノロジー1つとして位置づける

その後同氏は「SoC FPGAはエンベデッドコンピューティングの中核を成し、Intelとしてもコミットしていく。素晴らしいポテンシャルを秘めており、2社(IntelとAltera)の共創により巨大なメリットが生み出されるだろう。これからも日本のお客様、パートナーとともに価値を生み出していきたい」と語り、講演を締めくくった。