気温の変化が激しい季節の変わり目は、自律神経が乱れて体調を崩す人も多い。その症状の1つが「便秘」。便秘が慢性化すると、腹痛やむくみ、肌荒れなどのほか、大腸がんのリスクも高まるため、症状を悪化させないことが大切だ。

そこで今回は、管理栄養士の柴田真希さんに、腸内環境を整えるためのポイントとあわせて、小麦ブランを使った「腸をキレイにするレシピ」を紹介していただいた。

腸を整えるとイイ理由

管理栄養士の柴田真希さんにお聞きした

これからの寒い季節、風邪やインフルエンザの流行が予想される。柴田さんは、そのほかに気をつけたい不調として、「年末にかけて、クリスマスや忘年会などのイベントが重なると、飲み過ぎ・食べすぎによって、お腹の調子を崩すことがあります。また、冷えからくる便秘にも気をつけましょう」と話す。

便秘に悩む女性は多いといわれるが、柴田さんも便秘に苦しんだ経験を持つ女性の一人。20代中盤まで、"ぽっこりお腹"や冷え性、肌の不調、気分のイライラなどを自覚していたという。

「便秘は生まれつきだから治らないと私も諦めていました。でも、治るんです! 私の場合、"穀物は良い食べ物なんだ"ということを頭で理解してから、しっかり穀物を食べるようにしました。そしたら2日で便通が改善して、肌の調子もよくなり、イライラすることも少なくなって。点で悪かったものが線でよくなっていくのを実感しましたね」。

食物繊維を摂ろう!

免疫細胞の約70%が腸に存在し、外から侵入してきた病原体などから私たちの体を守る役割を果たしている。しかし腸内環境が乱れると、免疫システムが低下してしまい、便秘だけでなく、風邪などの感染症、むくみ、肌荒れなど、さまざまな不調を起こしやすくなるといわれている。

「腸内環境を整えるためには、ビタミン・ミネラル・食物繊維がそろった栄養バランスのよい食事を心がけることです」と柴田さん。中でも、食物繊維の摂取がポイントだという。

食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つがあり、それぞれ次のような特徴がある。

不溶性食物繊維…お腹の中で水分を吸収して大きく膨らみながら、水溶性食物繊維を包み込んで、大腸の隅々まで届ける。穀物、野菜、豆類などに含まれる。

水溶性食物繊維…腸内細菌のエサになって腸内環境を整えるのに役立つ。海藻類、こんにゃく、果物などに含まれる。

各々が補うように作用するため、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をバランスよく積極的に摂ることが重要とのこと。

今回、柴田さんに紹介いただくレシピは、不溶性食物繊維を多く含む「小麦ブラン(小麦の外皮部分)」を使用。小麦ブランは、今話題の「低GI(グリセミック・インデックス)」の食品であり、同時に摂った糖質の消化吸収を遅らせるため、急激な血糖値上昇を抑えることができる。それによってインスリンの過剰分泌が抑えられ、満腹感が得られることから、食べすぎを防ぐことができるという。

「小麦ブランの不溶性食物繊維はお腹の中で膨らみます。満腹感が持続するので、ダイエットにもいいですね。せっかくカロリー制限をしても、数時間後にすぐお腹が空いて、間食にチョコレートやクッキーなどを食べてしまっては意味がありません。不溶性食物繊維を含む食品などで、1食の食事をしっかり食べるようにしましょう」。