アップルは米国時間10月27日、コンピュータの中で主力となるノートブック型Mac、「MacBook Pro」を刷新した。Macは、世界的なパソコン市場の低迷の中でも、マイクロソフトのSurface、グーグルのChromebookとともに善戦しているブランドだ。今回の新製品は、実に4年ぶりのモデルチェンジとなり、またスティーブ・ジョブズ氏が封筒から取り出して披露したMacBook Airが、主力から外れるラインアップの変更も行っている。アップルのコンピュータ事業は、どのような戦略を採っていくのだろうか。

1991年発売の「PowerBook」以来、25年が経過したというアナウンスから新型「Macbook Pro」の説明が始まった

新しいMacBook Pro

最新のMacBook Proについて簡単に解説をしておこう。MacBook Proは、アップルのMacの中で、上位モデルとなるポータブルコンピュータだ。現代のコンピュータはノート型が主流となっており、事実上、MacBook Proが最上位に位置するコンピュータとなる。この部分は、後の話に関係するので、覚えておいていただきたい。

MacBook Proは、Intel Core i5/i7を核とするハイエンドノートブックで、今回の刷新では高精細のRetinaディスプレイを、iPhone・iPad・iMacで先行して採用した広色域(P3)とし、さらに明るさ、コントラストも高めた。実際に花の写真をデモで見せていたが、赤と緑の深み、そして鮮やかさは息を飲む。

加えて、薄さとコンパクトさを高めつつ、使いやすさを向上するため、薄型のキーボードを再設計し、トラックパッドも2倍のサイズに拡大した。

キーボード上部でタッチ操作を可能にする「Touch Bar」ほか、表示の美しさ、薄さ、コンパクトさを高めたことなどが新型「MacBook Pro」の特徴

アップルが披露した最新機種のテーマは、「正常進化」の一言に尽きる。既存の機種と同様に、フラッシュストレージを搭載、光学式ドライブを排除し、信頼性、バッテリー持続時間、そしてディスプレイの美しさにこだわった。丁寧かつ実直に、これを進化させた点で、戦略に対する驚きは特にないはずだ。