では、それ以外のキャリアのネットワークを利用しているMVNOはどの程度存在するかというと、NTTドコモのMVNOと比べると極めてごく少数でしかない。例えばKDDI(au)のMVNOは、UQコミュニケーションズやジュピターテレコム(J:COM)などKDDIのグループ企業のほか、「mineo」ブランドのケイ・オプティコムや、MVNO大手の一角を占めるインターネットイニシアティブ(IIJ)などに限られる。しかもKDDIグループ以外の企業は、NTTドコモのネットワークも同時に提供している"兼業"のMVNOだ。

auのネットワークを用いたMVNOは、UQコミュニケーションズの「UQ mobile」などKDDIのグループ会社のほか、ごく少数のMVNOに限られる

ソフトバンクのMVNOとなるとさらに数が少なく、同社のMVNOを支援する子会社「SBパートナーズ」の発表では、現在のところ飛騨高山ケーブルネットワークの「Hitスマホ」と、ANAの「ANA Phone」のみ。しかもANA Phoneは、いわゆる"格安"のサービスを提供するのではなく、専用のスマートフォンを利用することでマイルが貯まりやすくなるなど、付加価値を重視したMVNOとなっている。

この他にも、ワイモバイルと同じネットワークを用いていると見られるU-NEXTの「U-mobile SUPER」などが、あえて言うならばソフトバンク系のMVNOということになるが、いずれにせよ非常に数が少ないことは確かだ。では一体なぜ、NTTドコモとそれ以外のキャリアとでは、これほどまでにMVNOの数に違いがあるのだろうか。