Cerevoは10月26日、IoT対応のスマート・ヨーヨー「7-Magic」の予約発売を開始した。Bluetoothを内蔵し、設定された色やタイミングで光るヨーヨーだ。音楽に合わせて光ったり、色を変えたりすることで、ヨーヨーパフォーマンスをより派手で幻想的に魅せてくれる。

プロヨーヨーパフォーマーのBLACK氏(写真左)、Cerevo代表取締役 岩佐琢磨氏(写真右)

これまでも「光るヨーヨー」は存在していたが、7-Magicが異なる点はふたつあり、ひとつは「明るさ」。

7-Magicは合計21個の高輝度LEDを搭載し、なんと総計で2W、照度は5cm離れた距離で最大1100ルクスとかなり明るい。実際に最高輝度で光らせ、間近で直視すると目がくらむレベルの明るさだ。視認性がよくヨーヨーが目立つので、大きなステージでのパフォーマンスにもうってつけ。ちなみに、これは従来の「光るヨーヨー」と比べて200倍以上の明るさ。

もうひとつの特徴は、Cerevoのお家芸ともいえる「IoT」機能。7-MagicにはIoT用小型モジュール「BLUE NINJA」が内蔵されている。これは、Cerevoが開発した「簡単にIoT製品を開発するためのモジュール」だ。BLUE NINJAはコンパクトな基板ながら、Bluetooth 4.0(Low Energy standards)による端末連動機能を搭載している。

Windowsパソコンと連動するIoTヨーヨー「7-Magic」。本体サイズは直径58.25×D39.3mm。重さは74g

ヨーヨー本体には、香港のC3ヨーヨーデザイン社の「イニシエーター」を採用。内部に赤、青、緑の高輝度LEDと、IoTモジュールを組み込んでいる

IoT用小型モジュール「BLUE NINJA」を手にする岩佐氏。かなりコンパクトなのがわかる

充電や設定の転送などはmicroUSB経由で行う。USBインタフェースはヨーヨーの両面にあり、表と裏で独立して制御する。ちなみに、机に置いた状態だと光の位置が偏って見えるが、ヨーヨー使用時は常に本体が回転しているため、本体全体が光っているように見える

ヨーヨーの光らせ方は3通り

7-MagicはBluetooth通信を利用し、パフォーマンス中にさまざまな色で光らせたり、タイミングよく消灯したりが可能だ。制御方法は3通りある。

ひとつは、Windowsパソコンのファンクションキーを押して、ヨーヨーの色や明るさ、消灯タイミングなどを変える「ワイヤレスリアルタイム発光モード」だ。これはパソコンをリモコン的に使うモードなので、7-Magicを使うパフォーマーと、パソコンを操って光を制御する補助者の2人が必要となる。

ワイヤレスリアルタイム発光モード用のWindowsアプリ「7-Magic Bluetooth Cue」。「F1」から「F5」までのファンクションキーにあらかじめ色を設定。対応するキーを押すとヨーヨーの色がワイヤレスで切り替わる

もうひとつが、PC上で流す音楽や映像に合わせて、LEDの色や明るさ、明滅するタイミングなどを設定しておく「ワイヤレスプリセット発光モード」。あらかじめ発光色や明るさの変更タイミングを設定し、パソコン上で再生される音楽・映像に合わせて7-Magicを発光させられる。音楽をスタートすれば補助者が不要なので、一人でコントロールできる。

あらかじめ色や変更するタイミングをセットするワイヤレスプリセット発光モード用のアプリ「7-Magic Sequence Editer」。発光する時間と色、そして色の変化の方法を選択するだけのシンプルなインタフェースだ

【動画】※音声が流れます、ご注意ください

【動画】色の変化の方法は2通り。たとえば、青から赤に色を変化させる場合、上の動画の「Immediate」では「青→赤」と即座に切り替わる。下の動画の「Linear」では、赤から徐々に色が青へと移り変わる
※音声が流れます、ご注意ください

最後は、「ワイヤレスプリセット発光モード」とほぼ同じ機能ながら、スタートのタイミングをUSBケーブルの有線で指示できる「USBプリセット発光モード」。こちらは、無線環境が整っていない場所でも、確実にパフォーマンスをスタートさせるためのモードだ。絶対に失敗ができないプロパフォーマー向けの機能といえる。

世界的ヨーヨーパフォーマーによる振り付けも

今回の発表会では、7-Magicの魅力を伝えるため、BLACK氏によるヨーヨーパフォーマンスも披露された。パフォーマンス中は、音楽や背景の3DCG、BLACK氏のヨーヨーさばきとダンスにシンクロするように7-Magicがさまざまな色で発光し、幻想的な雰囲気を演出していた。

7-Magicは、世界的なヨーヨーパフォーマー、BLACK氏の発案で開発された製品。BLACK氏Hは、ヨーヨーの世界大会で2回の優勝経験をもつほか、シルク・ド・ソレイユにも出演したことがある

【動画】7-Magicで驚きのヨーヨーパフォーマンスを披露するBLACK氏。芸術的かつストーリー性のあるパフォーマンスに、会場にいた報道陣も圧倒された
※音声が流れます、ご注意ください

素人にここまでのパフォーマンスは難しいが、今後はBLACK氏の監修による90秒ほどの初心者向け振り付けパフォーマンス映像が公開される。加えて、振り付けに合わせた音楽と、その音楽に合わせた7-Magic用発光パターンもダウンロード可能になるそうだ。

BLACK氏は「昔、コカ・コーラ ヨーヨーやハイパーヨーヨーなどで遊んでいた人なら、すぐに覚えられる90秒ほどの振り付けです。音楽と光が加わることで、周りがびっくりするようなパフォーマンスになるので、ぜひ忘年会やパーティーなどのかくし芸として披露してほしい」とコメントした。

今後の発展にも期待

7-Magicは、ファームウェアのアップデートでさまざまな機能拡張も可能だ。現在、ヨーヨー本体と通信可能な機器はWindows 8.1以上のパソコンだけだが、今後はスマートフォンアプリの提供も予定しているとのこと。今後の動向次第では、Macとの連携も考えているそうだ。

7-Magicに内蔵されているBLUE NINJAモジュールには、9軸センサーと気圧センサーが内蔵されている。内蔵センサーの種類には、速度・角度・地磁気・気圧センサーなどがあるので、今後は7-Magicの回転や移動といった動きに合わせて色が変化したり、7-Magicの動きに合わせてパソコンやスマートフォンから音を出すといった、機能追加の可能性もあるようだ。