UQ コミュニケーションズは24日、「2016年秋冬 UQ発表会」を開催した。新たにUQ mobileオリジナルモデルを含めたスマートフォン4機種が追加された他、国内最速440Mbpsのモバイルルーター「WX03」、料金プラン・サポートサービスなどが発表された。また10月25日より、深田恭子さん、多部未華子さん、永野芽郁さんが三姉妹に扮する新CMが全国で放送されるなど、大規模なプロモーションが展開される。

UQ コミュニケーションズ 代表取締役社長 野坂章雄氏

UQのミッション

発表会では同社代表取締役社長 野坂章雄氏が登壇し、プレゼンテーションを行なった。昨年10月にau系MVNOとしてUQ mobileのサービスを開始して1年。同社調査によると顧客満足度は約87%に達しているという。これまでの歩みを振り返った上で「高品質・高速・大容量の通信を実現したい、というのがUQのDNA」であると野坂氏は述べた。

「使用した人の満足度は高いが、知って頂けていないことが課題」(野坂氏)

「ケータイ3社のスマホは高い。でも格安スマホはちょっと不案がある。それを同時に解決するのが我々のミッション。安心、快適、高品質なスマホをみんなのものにしたい」(野坂氏)

その上で、2016年秋冬の展開として「端末ラインアップ強化」「サービスの充実」「タッチポイント拡大」の3点を挙げた。同社はこれまで若い男性や学生を中心にユーザーを広げてきたが、この展開により全方向へのリーチを狙うという。

これまで取り込めていなかった層へアピールする

端末ラインアップ強化

今回新たに発表された端末は4機種。女性を狙ったモデル「AQUOS L」は、防水防塵・強化ガラス搭載、省エネ技術で連続待ち受け約950時間を実現した。「HUAWEI P9 lite PREMIUM」は、WiMAX 2+対応で下り最大220Mbpsの高速通信が可能。3000mAhの大容量バッテリー搭載で、若い男性層に訴える。

UQオリジナルモデル「AQUOS L」はブルー/ホワイト/ピンクの3色。入浴中にも使える防水・防塵仕様。軽くてコンパクトな印象。発売予定は12月上旬以降

UQオリジナルモデル「HUAWEI P9 lite PREMIUM」。高速通信、大容量バッテリー、高性能カメラ搭載。発売予定は11月下旬以降

「IDOL 4」は、VRヘッドセット「VR Box」が標準で付属することが最大の特徴。最大出力3.6Wのデュアルスピーカー搭載、イヤホンはJBL製と、音響面も充実した「ガジェッター向けモデル」(野坂氏)だ。「SHINE LITE」は比較的初心者向けのコストパフォーマンスモデル。自撮りに強く、指紋認証で指ごとに別のアプリを起動するといった機能がある。

「IDOL 4」はパッケージの一部がVRヘッドセットになる仕様。7.1mmという薄さも特徴。発売予定は11月下旬以降

両面ガラスとメタルフレームのスタイリッシュな「SHINE LITE」。発売予定は12月以降

この他、エレメンタリー向けの「LG X screen」、ハイエンドの「ZenFone 3 Deluxe」などを含め、この秋冬登場の新モデルは合計8機種となる。野坂氏は、ただ数を並べるだけでなく「分かりやすく、何を選べば良いか紹介できるようにしていきたい」と語った。

8機種全モデルがVoLTE対応

また、モバイルルーターでは新たに4×4MIMO技術とキャリアアグリゲーション技術の組み合わせにより下り最大440Mbpsを実現した「Speed Wi-Fi NEXT WX03」を12月上旬より発売する。同社(当時はワイヤレスブロードバンド企画)が設立された2007年から約10年で通信速度は約10倍に達した形となる。

「Speed Wi-Fi NEXT WX03」。上り回線もキャリアアグリゲーション技術と64QAM変調方式の導入により最大30Mbpsに。ディープブルー/ホワイトゴールドの2色

サービスの充実

サービス面では、5分以内の通話を回数無制限で使用できる「おしゃべりプラン」を2017年2月22日より開始することを発表した。これに伴い、10月25日以降に加入したユーザーに対しては現状のプランについて無料通話3倍・通信量2倍となるキャンペーンを行う。

基本料金(3,980円/4,980円)だけで5分以内の通話が定額になる「おしゃべりプラン」を追加。なお、1,980円は各種割引適用後の料金

また、より多くの人にサービスを楽しんでもらうため、SNSを音声でアシスタントするワイヤレスイヤフォン「APlay」(ネイン社製)を発売。SNSなどのデータ消費をゼロとする「節約モード」では、新たに「レコチョク Best」「KKBOX」の音楽ストリーミングも対象となる。

設定したSNSについて、受信したら読み上げ・音声でテキスト入力して返信できる「APlay」。専用アプリをプリインストールしたセット販売も

さらにサポート面のサービスも強化。「UQあんしんサポート」は月額350円で何度でも利用でき、スマホに加えPCや周辺機器についての問い合わせにも対応する。フィルタリングサービス「安心アクセスV」は無料で提供、また子供が利用するスマートフォンのSNSの禁止ワード検知や利用状況を親が把握できる「FiLii」(月額300円)も提供される。

Officeの基本操作やプリンタの設定など、スマートフォン・タブレット以外のサポートにも対応する「UQあんしんサポート」を10月25日より開始

タッチポイント拡大

格安スマホの課題である顧客との接点については、イオン、カメラのキタムラなどリアル店舗での取り扱いを強化し、2016年度内に1000店舗を目指す。また、9月には単独の販売ショップ「UQスポット」を東京・上野と大阪・心斎橋にオープン。今後47都道府県への拡大を予定している。

オンラインではUQ モバイルユーザーだけでなく誰でも参加できるコミュニティサイト「UQ PLANET」を10月24日にオープン。初心者向けのガイドやQ&Aなど、スマホ利用者への情報提供を行う。

UQに関するお役立ち情報やSNSのまとめなどを配信するコミュニティサイト「UQ PLANET」

「今日の発表で、スマホをみんなのものにしたいという我々の思い、UQは本気だぞ、ということが分かって頂けたのではないかと思う。これから一生懸命やっていきたい」(野坂氏)

今後もMVNOの市場規模の拡大が予想される中、野坂氏は「新規契約の1/3程度は取っていきたい」と意気込みを述べた。

"本気"のプロモーションを展開

「『UQモバイルは、本気だぞっ』ということを伝えたい。そのために本気のプロモーションを展開しなければならない」と、プロモーションのキャッチコピーを引いて述べた野坂氏。これまでプロモーションのキャラクターであったピングガチャ、ブルームクに加え、深田恭子さん・多部未華子さん・永野芽郁さんを起用した新しいCMが発表された。

併せて、交通広告やWebも含めたプロモーションが展開される予定となっている。

深田さん(長女)・多部さん(次女)・永野さん(三女)の三姉妹と、ママ役ピンクガチャ・パパ役ブルームクの「家族設定誕生編」。「UFO」の曲に合わせ「UQ!」とダンスを披露する

旅行が好きで、旅先の景色や食べ物を撮ることにハマっているという多部さん。「自撮り棒も使っています」

最近、Instagramを始めた深田さん。「自分だけの写真だったものを、みんなに見てもらえることが不思議だなと思っています」

「友達と長電話したり、大勢で話すときはSNSを使って連絡を取り合っています」と、ナチュラルに使いこなす永野さん

左から、ピンクガチャ、永野さん、深田さん、多部さん、ブルームク