昨年サービスを開始した「Periscope(ペリスコープ)」は、スマートフォンだけで手軽に動画のライブ配信を行うことができるアプリだ。サービス開始から約1年で配信数は2億回を超え、現在は時間にして約110年分の動画が毎日配信されているという。YouTubeやVaine等と同様にミュージシャンやアーティストなど"ペリスコーパー"と呼ばれるスターも生まれているそうだ。

Periscopeとは日本語で「潜望鏡」、居ながらにして周囲の障害物や環境に左右されず対象を観測できる装置のこと。写真と動画がSNSの両輪としてコミュニケーションツールになっている現在、ライブ配信に特化したPeriscopeはどんな立ち位置にあり、どんな可能性を持っているのだろうか。Periscope設立者のひとり、Kayvon Beykpourが来日し、メディア向けの説明会が行われた。

Periscope CEO and co-founder Kayvon Beykpour氏

世界の出来事をテレポートさせる技術

Periscopeのコンセプトが生まれたのは、Kayvon氏が共同設立者のJoe Bernstein氏と共に世界各国へ旅をしながら新しいビジネスを模索していた2013年。ちょうどトルコ訪問を計画していた6月、イスタンブールで大規模な反政府デモが起きた。

「イスタンブールの街には多くの人がいて、スマートフォンを持っている。高速インターネットもある。だがそこで何が起こっているのか、彼らが目にしているものを私たちは見ることができません。その状況をそのまま見たい。ならば、世界で起こっていることをテレポートさせるような技術を作ろうと、Joeと話し始めたことがアイデアの発端でした」(Kayvon氏)

多くのニュースがPeriscopeでその場から配信された

その半年後、Twitterが同社を傘下に収め、2015年3月より正式にアプリの提供を開始した(Android版は同5月より)。直後より、ブルックリンの火事、ボルティモアの暴動、ネパールの大地震など、各国からニュースを共有しようと配信が行われ、世界中のユーザーがそれを視聴した。また、ゴルファーのローリン・マクロイやテニスプレイヤーのロジャー・フェデラーなど、セレブがファンとのコミュニケーションに活用している事例もある。シリアから最前線をレポートするジャーナリストもいる。

当初、ユーザーの中継した動画は24時間で自動的に削除される仕組みになっていたが、現在は全て保存され、配信者が手動で削除しない限り残る形になっている。貴重な映像も少なくない。今後は検索性向上やブックマーク的機能の追加など、保存された資産をより活用するためのアップデートを図りたいとKayvon氏は語った。