説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneに「Intel入ってる」ってホント?』という質問に答えます。

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「Intel入ってる」といえば、Intel製プロセッサを搭載したパソコンのTVコマーシャルで使われていたキャッチコピーとして有名です。iPhoneには多種多様なチップが搭載されていますから、Intelの製品が採用されていても不思議ではありません。しかし、iPhone 4までInfineon製モデムチップ(Infineonは後にIntelに買収されます)が採用されていたことを除けば、これまでIntel製チップは見当たりませんでした。

しかし、iPhone 7/7 Plusの一部ロットにはIntel製モデムチップが採用されています。「Intel入ってる」というキャッチコピーは、コンピュータの中心部にあたるメインプロセッサ(CPU/SoC)にIntel製品が採用されていることを指すものですが、通信端末であるスマートフォンにおいてモデムチップは中核的な役割を果たすだけに、重要な意味を持ちます。

今後はメインプロセッサが採用される可能性もあります。「Apple A9」などiPhoneに採用されているSoCは、Appleの設計によるものですが、製造はどこかのメーカーに委託することになります。もし、チップの製造委託を受ける企業(ファウンダリ)としてIntelが名乗りをあげるのならば、いよいよiPhoneが「Intel入ってる」になると考えられないこともありません。

同一機種の生産台数が飛び抜けて多いiPhoneなだけに、ファウンダリ事業を軌道に乗せたいIntelがアプローチすることは当然でしょう。iPhoneのメインプロセッサ(Apple A○)の製造は、ファウンダリ事業を展開するSamsungとTMSCに委ねられてきましたが、ARMとの提携に踏み切るなど知的財産関連の環境が整ったこともあり、今後はIntelも委託先の選択肢に入る可能性が高まったと考えてよさそうです。

iPhone 7/7 Plusから一部ロットにIntel製モデムップが採用されるようになりました