ヤフージャパンは10月6日、「Insight for D - Live! Talk Vol.1」と題したトークセッションを本社で開催した。「Insight for D」は、今年の4月5日にスタートしたデータマーケティングに役立つ情報を提供する情報発信サイト。

トークセッションでは、ヤフー マーケティングソリューションズカンパニー 経営戦略本部長 高田徹氏、Handy Marketing 代表取締役副社長 天野武氏、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE) 理事・事務局長 葦原一正氏の3人が登壇、それぞれ講演を行った。

ヤフー マーケティングソリューションズカンパニー 経営戦略本部長 高田徹氏

最初に登壇した高田氏は、「データが広告主にパワーをもたらす」と題して、日米のマーケティングの違いについて説明した。なお、同氏はこれまでヤフージャパンにおいてデジタル広告の技術開発を行っている。

同氏は、「過去10年は広告技術に投資するお金が集まっていたが、この2~3年はデジタルマーケティング領域の技術が落ち着いて、技術の適用期に入り、各業界で技術をどうやって利用するのかというフェーズに入っている」と最近のアドテク動向を説明。続けて、「ヤフーも目新しい技術開発ではなく、どのように技術をどう適用していくかに投資していく」と述べた。

そして同氏は、日米の広告主のリテラシー格差が広がっており、これを解消するために次のようにアドバイスした。

「データが教育プログラムを埋める一助になる。重要なのはダッシュボードで、毎日数字を見る必要がある。データ分析を経営者が行うことで会社の雰囲気が変わる。すべての経営者が数字を見ることで、日米の格差が埋まる」(高田氏)

高田氏は重要なのはダッシュボードを見ることだとアドバイス

顧客は属性の束

Handy Marketing 代表取締役副社長 天野武氏

続いて登壇したHandy Marketing 代表取締役副社長 天野武氏は、「ペルソナマーケティングからの脱却」と題して講演を行った。なお、同氏はヤフージャパンのリサーチアナリシス部も統括している。

同氏は講演の中でテーマとなっている「ペルソナマーケティングからの脱却」について、「人は友人によってさまざまな側面を見せる多面的な部分をもっているが、では、どこかに本当の自分がいるのかといえばそうではなく、すべてが本当の自分だ。従来のペルソナマーケティングは背後に理想となるユーザー層を想定し、さまざまなマーケティング施策を行っていたが、顧客というのは属性の束でしかなく、いろいろな要素が組み合わされている。そのため、統合的な人物像は想定できない。同じ人でも接触するメディアが異なれば、まったく別の人になる。現在はそういう世界観に変わっており、属性を体系化できなくなっている」と説明した。

天野氏は顧客は属性の束であり、統合的な人物を想定するべきでないとした