カスペルスキーは12日、個人向け総合セキュリティソフトウェア最新版「カスペルスキー セキュリティ 2017」を発表した。発売は13日。店頭や同社オンラインショップで販売開始し、価格は税込3,980円/1年版(ダウンロード版)から。

カスペルスキーのイメージキャラクター、グリーンベアとカスペルスキー代表取締役社長の川合林太郎氏

カスペルスキーでは、個人向けセキュリティ製品の名称を長らく「カスペルスキー マルチプラットフォーム セキュリティ」としてきたが、この2017年版から名称を一新。「カスペルスキー セキュリティ 2017」として展開する。

2017年版は製品名を「カスペルスキー セキュリティ 2017」に一新した

ユーザーの面倒な操作を"アシスト"する新機能

カスペルスキー セキュリティ 2017

カスペルスキー プロダクトマーケティング部の田村嘉則部長

同日開催された製品発表会では、新製品のコンセプトが「ユーザーをアシストするセキュリティ」と紹介。カスペルスキー プロダクトマーケティング部の田村嘉則部長は、「今までのセキュリティ製品はユーザーに対し脅威警告をするだけで、"セキュリティの専門家"ではないユーザーが最終的にセキュリティの責任を押し付けられていた。これから求められるセキュリティ製品は、『問題を解決する、積極的なセキュリティ製品』」だと、コンセプトの意図を説明した。

なお、製品名から"マルチプラットフォーム"の文字は消えたが、2017版でもマルチプラットフォーム(複数OS)のサポートは継続する。

カスペルスキー セキュリティ 2017では、ユーザーにとって面倒なセキュリティ関連の作業をアシストし、脅威を未然に防ぐ「ソフトウェアアップデーター」「ソフトウェアクリーナー」「セキュアコネクション」の3つの新機能が搭載されている。

ソフトウェアアップデーターは、PC内のソフトを定期的にスキャンし、アップデートが必要なものを通知。個別/一括操作で、アップデート自体もソフト上から行える。これにより、攻撃に使われやすい脆弱性を防ぎ、主だったソフトを最新状態に保つ。当初は、カスペルスキーが攻撃に使われやすいと認識している、世界的に普及しているソフト90点ほどがスキャン対象となっている。

ソフトウェアアップデーターの特徴

ソフトウェアクリーナーは、上記のソフトウェアアップデーターと同じく、PC内のソフトを定期的にチェックし、不要と判断したソフトを理由付きで通知。削除操作をアシストする。こちらも個別操作でアンインストールまで実行可能。"不要"と判断するのは、意図せずインストールされたとみられるものや、長期間使用されていないものなどで、チェック対象から特定のソフトを外すこともできる。

ソフトウェアクリーナーの特徴

セキュアコネクションは、公衆無線LANなどに接続する際、接続先のネットワークのセキュリティ状態を診断し、通信傍受などの問題が確認された場合は自動で通信を暗号化するVPNサービス。Windows向けの機能で、無料版では通信量の制限や接続サーバなどを選択できないが、通信量の制限やサーバ選択が可能な有料版も用意する。価格は1ケ月版(5台まで)が税込518円、1年版(5台まで)が税込3,218円。

セキュアコネクションの特徴

このほか、Mac版ではWebカメラのぞき見防止機能やWebトラッキング防止機能など、プライバシー保護機能が強化。Android版ではスマートウォッチ(Android Wear)のサポートが行われている。

日本はセキュリティに対する意識が低い

カスペルスキー代表取締役社長の川合林太郎氏

カスペルスキー代表取締役社長の川合林太郎氏は、ランサムウェアLockyの検出率が世界中で最も日本が高いことを例に挙げ、「日本"も"ではなく、日本"を"狙った攻撃が増加している」と警鐘を鳴らす。

2016年Q2期では個人向けのランサムウェア攻撃は減少傾向に、法人向けの攻撃は増加傾向にあるが、それでも全体として個人向けの攻撃割合が圧倒的に高いという。


2016年のランサムウェア攻撃は、日本での検知率が最も高い(Kaspersky Lab調べ)

Lockyの検出率。2016年上半期では日本が突出して高い(Kaspersky Lab調べ)

なぜ、日本が狙われるのか。川合氏は「日本はセキュリティに対する意識が低い」と説明する。「セキュリティについて関心が低いユーザーに対しても、対策をするのがセキュリティベンダの使命。ただ、出てきた脅威に対応するだけでは、保護が追いつかない。ユーザーの意識とセキュリティソフトの対策、この溝をどう埋めるかが、ベンダが次に目指すところ」と、2017年版の開発背景を語った。

「サイバー攻撃のターゲットになっていると思うか」というセキュリティ意識に関する調査では、日本は過半数が「知らない・わからない」と回答したという(Kaspersky Lab調べ)

カスペルスキー セキュリティ 2017(ダウンロード版)

バージョン 価格(税込)
1年1台版 3,980円
2年1台版 6,980円
3年1台版 8,980円
1年5台版 4,980円
2年5台版 9,250円
3年5台版 12,150円
1年プレミアライセンス 6,980円
2年プレミアライセンス 11,250円
3年プレミアライセンス 14,150円

カスペルスキー セキュリティ 2017(パッケージ版)

バージョン 価格(税込)
1年1台版 4,860円
3年1台版 9,720円
1年5台版 6,080円
3年5台版 12,960円