声優ユニット・StylipSの一員として活動するほか、声優、アーティスト、ラジオパーソナリティ、舞台をはじめ、モーションアクターや振り付けなど、幅広いシーンで活躍する"のっち"こと能登有沙が、2016年10月12日にNEWシングル「僕らの知らない物語」を、新レーベルとして立ち上がった「ヴィレッジヴァンガードミュージック」よりリリースする。

「ヴィレッジヴァンガードミュージック」は、ヴィレッジヴァンガードが企画段階から携わり、イベントや店頭展開も併せて行っていくという取り組みで、その第1弾として、10月12日に、「Yunomifeat.nicamoq」と「能登有沙」のCDがリリースされる。

今回リリースされる能登のシングルは、オリジナル新曲となる「ほしのわ」のほか、「genkai◇sQuare」(マーブルズ Cover)、「気まぐれロマンスfeat.宙にペルシャ」(カナスタ Cover)、「願い」(sai cover)といったカバー曲3曲を収録。「genkai◇sQuare」はマーブルズの原曲から能登にあわせて歌詞・タイトルが変更されており、単なるカバー曲を超えた新たな魅力が引き出されている点も注目だ。

そこで今回、NEWシングルのリリースを前に、能登有沙と、本作の制作に携わった松野プロデューサーの2人に、「僕らの知らない物語」の魅力や聴きどころを語ってもらった。

能登有沙「僕らの知らない物語」、10月12日リリース

――今年6月にリリースされた「おやすみ星」以来のリリースとなりますが、「おやすみ星」リリース後の反応はいかがでしたか?

能登有沙

能登有沙「StylipSで活動しているときは、"かわいい"とか"お姉さんみたいで頼れる"みたいな声が多かったのですが、『おやすみ星』では、"のっちがのびのびしていてかわいい"みたいな感じで、ブリブリしたアイドルっぽいかわいさではなく、"自然体の能登有沙"が出ている、みたいに言っていただくことが多いです。『おやすみ星』は、これまでと違う一面を見せたいという気持ちで出したのですが、その想いが伝わって良かったなって思います」

――そして10月12日に「僕らの知らない物語」がリリースされますが、今回リリースに至った経緯はどのような感じなのでしょうか?

松野プロデューサー「僕自身、アーティスティックな方向で、カッコいい能登有沙を出していきたいという気持ちがあって、『おやすみ星』以降、アルバムを視野に入れて活動しているのですが、能登さんはいろいろな活動をやっていて、さまざまな面を持っている人なので、"カッコいい"という方向性だけで固めてしまうと、逆に行き場がなくなってしまうんじゃないかと思ったんですよ。なので、"カッコいい"という軸はありつつも、何か別の面白いこともやってみたかった。そんな中、ヴィレッジヴァンガードさんからお話をいただいたので、アルバムを目指す流れの中で、何か実験的なことをやってみたいという思いから、今回のCDを制作しました」

――カッコいい方向とはまた違った方向性ということでしょうか?

松野P「そのままアルバムに行くのもアリだとは思ったんですけど、実際のところ、自分が能登さんとご一緒したのは『おやすみ星』だけなので、もっといろいろな曲を歌う能登さんを知りたかった。そのうえで音楽的なところを共有していけたほうが、もっとアルバムが作りやすくなるんじゃないかと思いました」

――今回の話を聞いたときの感想は?

能登「最初、どういう歌が歌いたい? って聞かれたんですけど、正直よくわからなかったんです。それで、マネージャーさんも交えて話をしていく中で、踊れる曲があればいいかな、そういえばコテコテのバラードって歌ったことないな、みたいな話をしていたら、松野さんから、この3曲をカバーしましょうという話が来た感じです」

松野P「アルバムをカッコいい系で作るとすると、ファンの方からの要望が多い"かわいい系"の曲が入れられなくなる。バラードはアルバムにも入れたいけど、そもそもこれまであまり歌ったことがないということだったので、一度歌ってみる機会が欲しかった。そんなタイミングでの今回のお話だったので、それらを踏まえての選曲をしました」

――アルバムを見据えての選曲ということですか?

松野P「『おやすみ星』のとき、能登さんが『曲によって自分の中のどの引き出しを開けるか?』みたいなことをおっしゃっていて、もちろんそれも音楽のやり方のひとつなんですけど、僕自身、音楽は"生き様"だと思っているんですよ。その観点でいうと、能登さんはまだまだ、自分を全部解放していないんじゃないのかなと。引き出しを開けるなら全部開ける。その中から深みを出していく方法もあるはずだと思うんですよ。その意味では、今回の選曲はジャンルじゃなくて、音楽の捉え方にも焦点を当てていて。それが深まり、積み重なっていく先にアルバムがある。本人の成長の記録がそのままアルバムになればいいなと思っています」