大手キャリアがiPhone 7/7 Plusを販売し、iPhone商戦が盛り上がりを見せている中、MVNOは中古のiPhoneを取り扱い、保証を付けるなどして、iPhoneユーザーの取り込みを進めているようだ。iPhoneをはじめとした中古端末販売の活性化はMVNOの市場活性化を進める上で重要な鍵と見られているが、順調に開拓が進むだろうか。

中古でiPhoneを取り扱うMVNOが増加

iPhoneの新機種「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」が発表されてから約1カ月が経過したが、今年もiPhoneの販売は盛り上がりを見せているようだ。中でもデュアルカメラを搭載したiPhone 7 Plusや、iPhone 7新色の「ジェットブラック」は品薄傾向が続くなど、端末値上げの影響などがありながらも、日本でのiPhone人気は現在も継続しているといえるだろう。

だが、iPhone 7/7 Plusを正規に取り扱うことができるのは、アップル自身と、携帯電話大手3社のみ。iPhone 5sなど旧機種を正規に扱うことができるのも、UQコミュニケーションズなど携帯大手の傘下企業のみである。それ以外の通信会社、要するにMVNOはiPhoneを取り扱うことができず、iPhone商戦の蚊帳の外に置かれてしまっているのが現状だ。

新しいiPhone「iPhone 7/7 Plus」はアップルと大手キャリアのみが正規に取り扱っており、MVNOが新品を取り扱うことは非常に難しい

しかしながら、iPhoneは日本で絶大的な人気を誇るスマートフォンであることは確か。それだけに、正規で新品のiPhoneを取り扱うことはできなくても、なんとかiPhoneと自社のSIMをセットで販売したいMVNOが少なからず存在するのは事実であり、これまでにもさまざまな手法で、MVNOがiPhoneを取り扱うための取り組みは進められてきた。

ここ最近急速に増えているのは、中古端末販売業者とMVNOが組んでの、iPhoneを含む中古端末とSIMのセット販売である。中古のiPhoneはアップルではなく、中古業者が直接取り扱うことから、MVNOも中古携帯電話の販売業者と協力することで、iPhoneが取り扱えるようになるわけだ。

しかも最近では、中古の端末に独自の保証を付けてケースも出てきている。例えば、「mineo」ブランドでMVNO事業を展開するケイ・オプティコムは、12月よりユーザーが所有している既存端末や、中古で購入した端末を「持ち込み端末」として扱い、月額数百円程度の料金で保証する「安心保証サービス」を12月より提供する予定であることを明らかにしている。「Apple Care」が契約できないなど、中古端末では難しい端末補償の問題も、こうしたサービス提供側の努力でクリアされつつあるのだ。

「mineo」ブランドでMVNOを展開するケイ・オプティコムは、12月より手持ちの端末や中古端末を保証する「安心保証サービス」を開始することを明らかにしている