ジョージ・ハリスンをガッツリ対決させた以上、ポールもやらないわけにはいくまい。ということで20世紀最大のメロディー・メーカーのアルバム対決をご紹介しよう。

ポールのアルバム「マッカートニー」と「ラム」 どっちが好き?

ポール・マッカートニー
マッカートニー
ユニバーサルミュージック
1970年4月17日発売

ポール・マッカートニー
ラム
ユニバーサルミュージック
1971年5月28日発売

アビー・ロードの発売から約半年後に発表されたポール初のソロアルバム、「マッカートニー」。いろんなヒトに酷評されたが、名曲メイビー・アイム・ア・メイズド1曲あれば、まあ、許せるでしょ。

2枚目のラムからアナザー・デイ。ぐっと完成度は上がってきている。

驚きの僅差である。ほぼ互角な結果だ。僕個人の感想を言わせていただければ、ラムの方が上である。メイビー・アイム・ア・メイズドなんて、中途半端なサビで好きになれなかった。ラムの収録曲では、アナザー・デイももちろんいいが、「アンクル・アルバート?ハルセイ提督」という本当の名曲が入っている。調べてたらなんと1972年にこの曲、グラミー賞を受賞していた。知らなかった。そんなこと知らなくても名曲とぼくは40年くらい前から認めていたよ。ポール。「Hand across the water」のところのコーラスのキレキレっぷり、みなさんもぜひ聞いて。

「ワイルド・ライフ」と「レッド・ローズ・スピードウェイ」 どっちが好き?

ウィングス
ワイルド・ライフ
EMIミュージック・ジャパン
1971年12月7日発売

ポール・マッカートニーとウィングス
レッド・ローズ・スピードウェイ
EMIミュージック・ジャパン
1973年5月4日発売

ウィングスのデビューアルバムワイルド・ライフからビップ・ボップ。どうでもいい曲。

2ndアルバムからマイ・ラブ。この1曲でウィングスは救われた。いい曲です。

こちらもビックリの僅差でお父さん、どうしていいかわからないよ! ワイルド・ライフは全世界のポールファンが認める駄作である。レッド・ローズはワイルド・ライフが酷すぎて、「ウィングスじゃ弱すぎるよ! また売れないよ!」とレコード会社に叱られて、急遽バンド名にポールの名前を入れたのだ。でも入れた甲斐あってアメリカでもアルバムチャートで1位になったまずまずの作品。とはいえ、マイ・ラブ以外は取り立てて目を引くような曲はないけど。でも、49:51ということはないだろう。方や押しも押されもせぬ駄作である。3:7くらいでいいだろう。

「バンド・オン・ザ・ラン」と「ヴィーナス・アンド・マース」 どっちが好き?

ポール・マッカートニーとウィングス
バンド・オン・ザ・ラン
ユニバーサルミュージック
1973年12月7日発売

ポール・マッカートニーとウィングス
ヴィーナス・アンド・マース
ユニバーサルミュージック
1975年5月30日発売

ジェット。バンド・オン・ザ・ランの中で、いやいや、ポールの中でも最高かも知れない1曲。

ついでにバンド・オン・ザ・ランもどうぞ。

ヴィーナス・アンド・マースのTV用プロモーション映像。

ヴィーナス・アンド・マースから、邦題「あの娘におせっかい」。これもポール最大の名曲だね。2:39からのコーラスが素晴らしい。

う~ん、そうなるんだろうな? と予想はついた。バンド・オン~は解散後のポールのアルバムでも非常に評価が高い。しかしヴィーナス・アンド・マースの方が収録曲にいい曲が多い、というか駄作がない。個人的にはこのアルバム、僕は最高に好きです。特に「磁石屋とチタン男」、もうね、歌詞もヘンだし、曲はめちゃポップだし、コーラスが素晴らしいしで大変な名曲です。なぜかあまり評価されないけど。「Paul McCartney & Wings - Magneto And Titanium Man [Live]」でぜひググって聞いてみてください。2:23からのBメロからサビにつながるドライブ感が最高。このアルバムの翌1976年に発表したライブアルバム「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」をピークにウィングスは力を落としていった。

ポールのソロ「タッグ・オブ・ウォー」と「ヤァ!ブロード・ストリート」 どっちが好き?

ポール・マッカートニー
タッグ・オブ・ウォー
Hear Music
1982年4月5日発売

ポール・マッカートニー
ヤァ!ブロード・ストリート
東芝EMI
1984年10月22日発売

タッグ・オブ・ウォーの1曲テイク・イット・アウェイ。イチオシの曲である。音もこの時代に合った現代的な音作りがされている。エボニー・アンド・アイヴォリーなどの大ヒットもあるが、0:50からのサビ、3:17からのこれもものすごい(なんと貧困な表現力!)コーラスの厚み。

ヤァ!ブロード・ストリート、驚きの58%で勝利。映画の印象が強いのだろうか? それともビートル時代の曲やウィングス時代の曲もありベスト的な要素があったからなのか? ノー・モア・ロンリー・ナイト1曲のパワーとは思えないが事実を受け止めよう。

アルバム対決を見てきたが素晴らしいアルバムは意外に少ないのだ。ポールは量産しすぎなのだ。名盤といえばここで紹介したものだ。もちろん個人的僕の意見だ。

とはいっても、毎年のように来日してくれて、オールベスト的なライブをやってファンの心理をよくわかっているポールはありがたい存在だ。次回来日しても、また見に行っちゃうんだよな~。

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さて今回も読者のコメントを紹介します。ポールファン中心に……。

ペンネームザック「ジョンが死んだときのポールの律儀ぶりは、忘れられません」(東京都57歳男性)
ペンネームハニャニャふわ「ジョンが好きでしたが、ウィングスを聞いてポールも好きになりました」(福島県47歳男性)
ペンネームるる「ビートルズのなかでも、最も好きな人です」(東京都69歳男性)
ペンネームりんぱぱ「ポール、特に青春時代にはまりました」(長野県44歳男性)
ペンネームJUJU「ポールは稀代のメロディ・メーカーだと思います。期待する対決ジャンルは、ハード・ロック、プログレッシブ・ロックです」(千葉県59歳男性)

──ハードロックはいつでも来いですが、プログレは腰が引けます。

ペンネーム田中伸之介「ベイシティローラーズvsイーグルス、これが見たい」(埼玉県45歳女性)

──いや、時代的にはドンピシャだと思うけど、ジャンルちがわない!? 僕はローラーズもかなり好きなのでやりましょう。

そのほか、「邦楽対決を見てみたい」という読者の意見がかなり来ていました。「宇多田ヒカルvs浜崎あゆみvs安室奈美恵」が多かったので次回のアンケートに入れてみます。また、先週ジョージの回のリクエストで、

「長州力VS藤波辰巳」(東京都51歳男性)
「ゴジラとガメラの対決を見てみたいです」(宮城県49歳男性)
「木村拓哉VS福山雅治」(大阪府43歳男性)ペンネームテリーまん

以上3名のリクエストを受け付けます。ただし、40歳以上だからどんな結果になっても知らないよ!!

さて次回のアンケートテーマはやはりジョン・レノンです。曲対決を聞いていきます。ぜひご参加ください。期間は10月04日(火)19:30~10月06日(木)23:59。詳しくはマイナビニュース、会員ページをご覧ください。

調査時期: 2016年9月26日~9月28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 40歳以上793名(男性599名 女性194名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート