2016年10月4~7日にかけて千葉県・幕張メッセにて開催されるCPS/IoT Exhibition「CEATEC JAPAN 2016」にてデンソーブースでは、自社のロボット技術の応用範囲が自動車の製造にとどまらず、医療やドローン分野などに広がっていることが見ることができる。

自動運転を体感できる近未来のコックピットシステム「ハーモニアス・コミュニケーション・コックピット」

また同社のブースでは、プロ棋士対コンピュータ将棋の対局「第一期電王戦」にて、駒の成りのスピードを約7秒で実現しつつ、静かに駒を指すことを可能とした「新電王手さん」の実物も展示。実際に来場者と指すことも可能だとのことであったので、興味がある人は訪れてみると良いだろう。

新電王手さんの実機。実際に動いている様子をその目で見ることができる

このほか、産業分野向け大型ドローンや手術補助用の自動追従型手台ロボット「iArmS」の実機展示も行われている。産業用ドローンは、インフラ点検での活用を目指して開発されたもので、ホバリング性能を重視。ペイロードは2kgとのことであるが、インフラの点検では、カメラを搭載するくらいであるため、この程度のペイロードで十分だとのことであった。現在は手動操作だが、将来的には、半自動飛行へと発展していきたいとのことで、本格的な展開を目指し、2016年11月より実証実験をスタートさせる予定だという。

見た目に比べて意外と軽量化が図られている産業用ドローン

一方のiArmSは2015年に開発された手術補助ロボットで、補助台の上に腕を置くと、意図したところでロックをかけて静止してくれるというもの。モータを使用しておらず、電磁ブレーキでロックをかける仕組みとなっている。ちなみに価格は980万円(税別)で、国内を中心に販売を進めているという。

自動追従型手台ロボット「iArmS」。架台の上に腕を置くと、アームが追従してくれて、任意のところでロックをかけることができる。長時間の手術になれば、名医でも疲労は蓄積されることになるので、こうした補助の存在は非常に有効だと思える