日産自動車は29日より、新型「セレナ」に搭載されている自動運転技術「プロパイロット」から着想を得たイス「プロパイロットチェア(ProPILOT CHAIR)」の実機展示と体験会を開催している。

「プロパイロットチェア」は日産グローバル本社ギャラリー(横浜)に今週末・10月2日まで展示されており、来場すれば誰でも座ることができる(体重制限あり:80kg以下)。展示時間は、9月30日が10:00~20:00、10月1日が11:00~19:00、10月2日が10:00~18:00。

新型「セレナ」に搭載されている自動運転技術「プロパイロット」を応用した「ProPILOT CHAIR」

自動運転技術「プロパイロット」は、高速道路など自動車専用道路の同一車線において、先行車両との車間距離を一定に保つよう制御し、車線中央を走行するようにステアリング操作を支援する技術だ。

今回展示されている「プロパイロットチェア」は、同技術による機能をドライバー以外にもわかりやすく可視化するため、ドライバー以外にもなじみ深い「飲食店などにおける行列」に着目。イス同士が一定の距離を保って自動的に進むことで、列が進む毎に立ったり座ったりをくり返す煩わしさを解消する。

来場者が座って体験することができるブース

イスの下部にカメラが合計3機(前方と左右)設置されている

「プロパイロットチェア」実機の製作は、最先端のデジタルプロモーションを手掛けるインタラクティブカンパニー「BIRDMAN」が担当した。このイスの前作ともいえる自動駐車支援技術を応用した「インテリジェントパーキングチェア」も、同社によるものだ。同社のテクニカルディレクター・コバヤシタケル氏によると、今回の開発で苦労した点は、イス同士がカメラによって正確に位置を認識させるための調整とのこと。認識精度を高めるために、カメラで撮影した画像を元に機械学習を行っている。

現場にいたスタッフの方々に座ってもらった。先頭のイスから人がいなくなると、…

列の一番最後にイスが移動し、続くイスも自動的に前方へ詰めていく。先頭のイスがカメラ前方の画像(足の有無)と重量の減少によって人がいなくなったことを検知し、前述の動作が始まるという

実際に座ってみたところ、イスが自律的に進路を決めて、前後の距離を取りながら進む感覚があった。前の客が立つとイスがループして動く仕組みのため、退屈な待ち時間が一転し、イスが動き出すのを期待するポジティブな体験になるのが新鮮だ。

現在、飲食店への無償貸与をSNS経由で募集しているため、自分の店に置いてみたいと思った店舗のオーナーや運営企業は検討してみてほしい。応募方法は、店舗のSNS(Twitter、Facebook、Instagram)アカウントより「 #NissanProPilotChair #Wanted 」 とハッシュタグを付け、店舗情報がわかるサイトのURL等の必要事項を記載の上投稿のこと。応募した店舗や企業には、公開設定で投稿されたツイートの中から、情報や走行条件等を精査した上で事務局より当選連絡が行われるとのことだ。