説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhone 7がステレオになるってどういうこと?』という質問に答えます。

***

ステレオとは、左右2つのチャンネルに分かれた音声信号を同時再生することで、広がりのある音場を生み出す音響装置全般の呼び名です。iPhoneには複数のオーディオ出力経路があり、そのうちシステム標準の機能ではステレオミニジャック(ヘッドホン出力)とLightning、Bluetooth / A2DP、Wi-Fi(AirPlay)がステレオ再生に対応しています。

iPhone 7 / 7 Plusでは、そのうちステレオミニジャックが廃止されましたが、新たにスピーカーがステレオ再生をサポートしました。底面のLightningポート付近にあるスピーカーにくわえ、通話時に利用するディスプレイ上部のスピーカーを使うことで、左右2チャンネルの再生を可能にしたのです。

実際、『ミュージック』などのアプリで音楽を再生すると、従来のiPhoneに比べ広がりのある音場が出現します。動画ストリーミングやゲームなどのアプリも、音源が2チャンネルの情報を持ち合わせていればステレオで再生されます。

ただし、iPhone 7 / 7 Plusに搭載されているスピーカーは小型で再生周波数帯域が狭く、音質はハイファイを売りにするステレオシステムと比べるべくもありません。iPhoneを水平に置いたときのスピーカーの高さは微妙に異なりますし、底面 / 通話用スピーカーの中間地点は画面中央からわずかにずれているため、ボーカルの定位にも違和感があります。左右スピーカー間の距離が短く、音の立体感に乏しいことも否定できません。

とはいうものの、モノラル再生しかできなかった従来のiPhone内蔵スピーカーを思えば、改良ととらえていいでしょう。あくまで簡易的なステレオスピーカーという位置付けではありますが、特にゲームの効果音ではメリットを期待できます。

iPhone 7 / 7 Plusは、底面+通話用内蔵スピーカーでステレオ再生を実現します