前回の記事から僕の遅れのせいで3週間ほど空いてしまったが、ジョージ・ハリスンのアルバムの鮮度が落ちることは決してない。気にしないで始めよう。さあ、今回もどんな予想外な結果が出るか。

リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールドとダーク・ホース どっちが好き?

ジョージ・ハリスン
リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド
ユニバーサルミュージック
1973年6月22日発売

ジョージ・ハリスン
ダーク・ホース
ユニバーサルミュージック
1974年11月20日発売

リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールドのプロモーションだが、ビートルズ時代よりも若々しいジョージが印象的だ。オールシングスマストパスを発表し、バングラディッシュ救済チャリティーコンサートを成功させミュージシャンとして最高に充実している時期のアルバムだ。

こちらもダーク・ホースのプロモ集だが、このアルバムの録音直前のワールドツアーで喉を潰してしまい、ジョージの人生に少し陰を落とした時期かもしれない。

早速の予想外の結果が! オール・シングス・マスト・パスから3年を経て発表されたリヴィング・イン~は前作の壮大さとはちがう曲たちが納められた。この後のジョージ、お得意のオルガンギラギラ、サックスとスライドの掛け合いが素敵だ。だから僕はこっちが7でダーク・ホースが3くらいが妥当と思っていた。トライ・サム・バイ・サムなんてもの悲しいメロディーからの発展はちょっと他ではない。ダーク・ホースはもちろん悪くないが、4:6なんてリヴィング~が過小評価されすぎている。

ジョージ・ハリスン帝国と33 1/3 どっちが好き?

ジョージ・ハリスン
ジョージ・ハリスン帝国
ユニバーサルミュージック
1975年9月22日発売

ジョージ・ハリスン
33 1/3
ユニバーサルミュージック
1976年11月8日発売

巷では暗いといわれているが、このアルバムで俄然、音がきらびやかになったと思うのは僕だけか?

「33 1/3」からのシングルカット「人生の夜明け」。普通である、ジョージの曲としては。

これも僕の意見とは違う結果だ。僕なら9:1である。なのに僅差とはいえ47:53で負けるなんて。ジョージ・ハリスン帝国には「二人はアイ・ラヴ・ユー」というジョージの最高傑作のひとつが納められている。ぶっちぎちりにいい曲だ。キーボード、サックスが突き抜けている。ジョージのギターのリフがすごい。ベースもユニゾンで太い。今、聞き直しているが聞き入ってしまって原稿なんて書いてる暇がない、ただでさえ遅れに遅れているというのに……。余談ですがこのアルバム「Extra Texture」のレコードのレーベルはアップルではなくリンゴの芯でした。

クラウド・ナインとオール・シングス・マスト・パス どっちが好き?

ジョージ・ハリスン
クラウド・ナイン
ユニバーサルミュージック
1987年11月2日発売

ジョージ・ハリスン
オール・シングス・マスト・パス
ユニバーサルミュージック
1970年11月27日発売

ジョージのアルバムで最もセールス的に成功を収めたアルバム。なかでもセット・オン・ユーは14年ぶりの全米1位となり、新生ジョージ・ハリスンをイメージさせた。

同じクラウド・ナインから。でも、断然こちらのFabの方が僕は好きです。ビートルズ末期っぽいよね。

対するは、いわずと知れたオール・シングス・マスト・パス。スケールが違うと思いませんか?

45:55、もちろんオール・シングス~が勝った。クラウド・ナインは確かに大ヒットアルバムだが、なんというかジョージらしさという点では最高峰はリヴィング・イン~や33 1/3だと思う。嫌いではないのですがどうも、ジェフ・リンの音がする気がしてならない。その点、ビートルズ時代の積年の恨みが昇華され集積したのがオール・シングス~だと僕は思う。

バングラデシュ・コンサートとオール・シングス・マスト・パス どっちが好き?

ジョージ・ハリスン
バングラデシュ・コンサート
ソニーミュージック
1971年12月20日発売

ジョージ・ハリスン
オール・シングス・マスト・パス
ユニバーサルミュージック
1970年11月27日発売

こちらの対決も47:53とオール・シングス~が勝利を収めた。僅差である。いい感じの結果だ。バングラディッシュのコンサートはミュージシャンによるチャリティーの礎となり、後のブーム・タウン・ラッツのボブ・ゲルドフとウルトラ・ヴォックスのミッジ・ユーロが仕掛けたバンド・エイドやマイケル・ジャクソン主導のウィー・アー・ザ・ワールドへと受け継がれていく。ジョージの大きな功績だ。クラプトン、レオン・ラッセル、ボブ・ディランと登場するミュージシャンはスーパースターばかりで豪華だった。僕も映画館で観た。感動したよ、とても。

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さて今回も読者のコメントを紹介する。ジョージ愛にはあふれてないものも多かったけど。

ペンネームテリーまん「木村拓哉VS福山雅治」(大阪府43歳男性)
──いやぁ、「洋楽人気対決」って書いてあるじゃない!

ペンネームなし「シュープリームとスタイリスティックス」(鹿児島県47歳女性)
──おお、まともな対決ができそうですね。予定しておきます。

ペンネームしげさん「ミックジャガーとジミーペイジなんて趣向はどうでしょう」(埼玉県54歳男性)
──おお、まともなようで、ヴォーカリストvsギタリスト!?

ペンネームなし「長州力VS藤波辰巳」(東京都51歳男性)
──斬新だな、おい! 諦めてアンケートしてみますか?

ペンネームなし「ゴジラとガメラの対決を見てみたいです」(宮城県49歳男性)
──斬新だな、おい! せめて人間にしてくれよ。

ペンネームなし「かき氷選手権! 好きなシロップは?」(茨城県45歳女性)
──斬新だな、おい! すでに生き物ですらないよ。

もうむちゃくちゃです。

ペンネーム太成なりこ「洋楽は好きだけど、アーティストの名前や曲名はほとんどわからないのでリクエストはありません」(茨城県51歳女性)
──これから覚えましょうね!!

それから、「1966年からのビートルズファン50年目の北海道63歳男性」からはとてもとても長いビートルズの思い出を送っていただきました。長くて紹介できませんがありがとうございました。

さて次回のアンケートテーマはポール・マッカートニーとウィングスです。アルバム同士の対決を聞いていきます。ぜひご参加ください。期間は本日9月26日(月)18:00~9月28日(水)23:59。詳しくはマイナビニュース、会員ページをご覧ください。

調査時期: 2016年9月6日~9月8日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 40歳以上1,045名(男性812名 女性233名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート