【インタビュー】

本当に快適な暮らしをするのに経済力は必要? - 「30代年収90万円で都内隠居生活中」の大原扁理さんに聞く"楽な生き方"

1 隠居生活における働き方

桜庭由紀子
 
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あなたは「年収90万円で生活しろ」と言われたら、どうしますか?

厚生労働省の国民生活基礎調査において「相対的貧困層」とされるのは、等価可処分所得が年間122万円(名目値/「平成25年 国民生活基礎調査の概況」より)未満の世帯です。それを下回る「年収90万円」という数字を見ると、毎日を生きるのすらままならないのでは? と思ってしまうでしょう。

しかし、『年収90万円で東京ハッピーライフ』の著者 大原扁理さんは、「お金を稼ぐこと」にとらわれない、快適で幸せな生活を送っています。年収90万円の「ハッピーライフ」へいかにしてたどり着いたのか、また、どうやって自分自身の幸せを見つけたのか、お伺いしました。

大原扁理(おおはらへんり)
1985年愛知県生まれ、東京都在住。高校卒業後、3年間引きこもり、海外一人旅を経て、現在隠居6年目。最近、木食行(木の実だけて食べて暮らす生活)にあこがれている。著書に『20代で隠居 週休5日の快適生活』(K&Bパブリッシャーズ/1,300円+税)

お金と仕事について

――年収90万円で生活されているとのことですが、収入の内訳を教えてください。

週2回介護の仕事をしています。それが月70~80時間です。この介護の仕事が定収入で、大体月7万~8万円です。単純計算して年収が90万円ということになります。また、文筆業やインタビューなどの臨時収入もあります。去年は本(『20代で隠居 週休5日の快適生活』)を出したんですけど、それでも年収100万円を切るくらいですね。でも、臨時収入があると、あることに安心して介護の仕事を断ったりしちゃうんです。なのであまり油断しない範囲で仕事をしています(笑)。

――年収が貧困線(122万円)を下回っています。隠居生活の生活費を見ると、家賃2万8,000円、固定費1万5,000円、交際費1万5,000円、食費1万円で暮らしているとのことですが、「生活が苦しい」とは思いませんか?

貧困って、基準があるんですね。まずそれにびっくりしてしまいました。貧困の基準をみると、社会の生活水準って高いなと感じます。でも私は、貧困のラインや社会での役割とか、そういう基準を国や社会に決められたくないって思っています。生活や快適の基準は自分で決めれば良いこと、社会の基準になぜ合わせなくてはならないのだろうと疑問に思っています。私は年収90万円で快適に楽しく過ごしていますし、自分が快適に過ごしているのが90万円だったというだけです。自分で決めて良いんじゃないかなって思います。

大原さんの1カ月の生活費

――では年収をもっと増やそうと思うことはありますか?

ないですね。私は、年収はいくらでも良いと思っています。「年収90万円で東京生活」って言っていますけど、それは快適な方を選んでいったら、結果として年収90万円の生活にたどり着いたという話なのです。だから、今不便を感じることはないですし、今のこの快適な状態でいられるのなら、これからも増やそうとかいうことはないです。余ったお金で貯金もしていますし。ちまちまですけど(笑)。

――年収90万円で貯金もできるんですね!

何かあったときのためにしています。貯金額は40万円ないくらいなんですけど、30万円を切らないように頑張ってる感じです。私が節約して生活すると、最低限6万円で生きていけるということが分かったので、半年分くらいあると何かあっても安心ということで、30万円をキープするようにしています。

――昨年「老後破産」という言葉が話題になりました。今のままの生活を続けていく場合、老後に不安はありませんか?

これは私の言葉ではないのですけど、老後は「自分がどう生きてきたかということに向き合わされる時期」だそうです。それは自分も感じていて、きちんと自分の考えや生き方に向き合わないで、社会が求めるまま流されて過ごしていたら、老後になってすごいツケを払わなくてはならなくなるんじゃないかと考えます。

――お金の問題ではなく、生き方なんですね。

そうですね。どうしたら自分が幸せかって、常に自分に問いかけることが大切だと思います。

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インデックス

目次
(1) 隠居生活における働き方
(2) 年収90万円の食生活って?
(3) パートナーができたらどうする?
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