富士フイルムはドイツ・ケルンで開催中のPhotokina会場にて日本のプレス向けに「GFX」についての説明会を開催した。GFXは9月20日に開発発表された中判システム。43.8×32.9mmのイメージセンサーを搭載したミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX 50S」と新開発の「フジノンGFレンズ」によって構成される。2017年春から順次発売される予定だ。

「FUJIFILM GFX 50S」と「GF32-64mmF4 R LM WR」

なぜ、GFXが必要なのか?

説明会の冒頭、商品企画を担当した大石誠氏は、GFXは「究極の静止画を撮るためのシステム」であり、Xシリーズで追求してきた写真画質のさらに上を目指す製品群と位置付けた。プロダクトマネージャーの久保田政勝氏は、「X-Pro 2」と「X-T2」のダブルフラッグシップ機によってXシリーズで十分なパフォーマンスが発揮できる撮影領域を広げてきたが、広告写真やファッション写真といったトップエンドのニーズに応えるためGFXを開発したと説明した。

GFXの特徴をまとめたスライド

GFXは、ミラーレスの特性を活かして中判システムでありながらボディの小型・軽量化を追求。カメラ本体・GFX 50Sの横幅はフルサイズの一眼レフ機と同程度、重さは1kgを切る見込みだ。EVFは取り外しが可能となっている。

CMOSセンサーのサイズは43.8×32.9mmで、35mmフルサイズの約1.7倍に相当する大きさだ。センサーピッチに余裕が生まれたことで、画質面でも有利に働く。画質設計のコンセプトである「リアルで自然な画作り」を再現するべく、製品発売まで開発を進めていく。

以下、GFXの写真を中心に掲載する。

天面には2つのマニュアルダイヤルとサブLCDを搭載。後述するがGFレンズにはすべて絞りリングが付いている。サブLCDは電源オフ時でも設定がわかる

横からみたほうがわかりやすいが、背面の液晶モニターが後方にややせり出した形。大きめのサムグリップがホールド性に寄与する

SDカードスロットはデュアル構成。握りやすさに配慮して、右手側の背面下部を斜めに切ったスラント形状としている

バッテリーには左側面からアクセスする。ボディを三脚に取り付けた際でも、すべてのスロットにアクセスできる

EVFは着脱が可能。EVFの角度を変えられるアダプターもオプションとして用意する

可動域の広い液晶モニター

ひと目でデカい! と感じる43.8×32.9mmのCMOSセンサー。ローパスフィルターレス仕様となっている。レンズマウントは新開発のGマウント

手に持った様子。奥行きはあるが、横幅はフルサイズ一眼レフと同程度

GFレンズの開発スケジュール。来春、ボディと同時期に3本。その後、2017年内に3本を追加する予定だ

左から、標準単焦点レンズ「GF63mmF2.8 R WR」(35mm判換算50mm)、広角標準ズームレンズ「GF32-64mmF4 R LM WR」(35mm判換算25-51mm)、中望遠ハーフマクロレンズ「GF120mmF4 Macro R LM OIS WR」(35mm判換算95mm)

左から、大口径中望遠レンズ「GF110mmF2 R LM WR」(35mm判換算87mm)、超広角レンズ「GF23mmF4 R LM WR」(35mm判換算18mm)、広角レンズ「GF45mmF4 R WR」(35mm判換算35mm)

「GF32-64mmF4 R LM WR」

絞りリングを「C」ポジションに設定すると、ボディのダイヤルで絞りを調節できる。すべて防塵・防滴・-10℃の耐低温設計となる

EVFの角度を変更するためのアダプターを使用した図。縦位置バッテリーグリップも装着している

縦位置バッテリーグリップは、横位置での撮影時と変わらない操作性を追求している

EVFの上にもホットシューを備える

「リアルで自然な画作り」を目指す