自律型ロボットの国際コンテスト「World Robot Olympiad(WRO)」の日本代表チームを決める国内大会「WRO Japan 2016」が9月18日に開催された。

会場は東京都江東区のBumB東京スポーツ文化館

WROは市販のロボットキットを使い、プログラミングによる自動制御技術を競う、小・中・高校生の大会。地方予選を通過したチームが全国大会に参加でき、そこで優秀な成績を収めたチームが国際大会に進出する。

WRO Japan 2016は、大会指定のロボットキットとソフトウェアにより規定課題をクリアしポイントを獲得していくレギュラーカテゴリーと、与えられたテーマに沿ったロボットを作成しプレゼンテーションを行うオープンカテゴリーに競技が分かれていて、レギュラーカテゴリーにはエキスパート競技とより難易度が低いミドル競技がある。エキスパート競技は小学生、中学生、高校生でそれぞれコースが異なる(ミドル競技は共通)。このうち、レギュラーカテゴリーのエキスパート競技とオープンカテゴリーの成績優秀者が国際大会に進む。

左からミドル競技、エキスパート競技の小・中・高のコース

ちなみに、WROにはより高度なロボット制御を競うアドバンスド・ロボティクス・チャレンジもあるが、こちら8月に国内大会が終了しており、この日はレギュラーカテゴリー、オープンカテゴリーが行われた。

レギュラーカテゴリーでは「レゴ マインドストーム EV3(EV3)」または「レゴ マインドストーム NXT(NXT)」を使用。競技は所定時間内でのロボットの組み立てから始まり、組み立て後は車検を通過しなければならない。また、当日まで伏せられていたサプライズルール(クリアするとボーナスポイントが貰える)が明かされ、各チームはその対応に四苦八苦していた。

競技の様子。全て課題をクリアすると歓声が上がる

一方のオープンカテゴリはブースの設営からスタートし、設営とプレゼンのリハーサルを所定時間内に行う。レゴ部品と他の材料との割合に制限はないが、すべてのロボットは「レゴ マインドストーム RCX」、NXT、EV3と、何らかのソフトウェアで制御されていることが条件となる。各チームの審査時間は説明とデモンストレーションで5分、審査員からの質疑応答で5分の計10分。

オープンカテゴリーで筆者が特に面白いと感じた福岡県立香椎工業高等学校のキャンドルメーカーロボット。一般家庭から出る廃食油をアロマキャンドルにリサイクルする。アロマキャンドルというおしゃれなアイテムを作る割に見た目が無骨なのが良い

審査の結果、以下の12チーム(レギュラーカテゴリー:8チーム、オープンカテゴリー:4チーム)が国際大会派遣チームに決定。今年の国際大会は11月6~8日にインド・ニューデリーで実施される予定だ。各競技の詳しい結果はこちら

レギュラーカテゴリー

(小学生)

  • 3π r(大阪市立平野西小学校、大阪市立喜連東小学校)
  • サンダーバード555(高岡市立博労小学校、富山市立鵜坂小学校)
  • スピードロボIII(新発田市立東豊小学校、新発田市立加治川小学校、田上町立田上小学校)

(中学生)

  • 帝塚山Drei Licht (帝塚山中学校)
  • チーム真剣(GACHI) (京都市立烏丸中学校、洛星中学校、宇治市立黄檗中学校)

(高校生)

  • T-trinity(帝塚山高等学校)
  • サンダーバード59号(富山県立富山中部高校、国立富山高専)
  • YTHS ORANGE V (愛媛県立八幡浜工業高等学校)

オープンカテゴリー

  • 福岡県立香椎工業高等学校
  • Mountain SKY (玉川学園高等部)
  • norn (横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校)
  • 追手門 Forest Challenger (追手門学院大手前中学校 )