世界最大級の写真関連展示会「photokina 2016」の前日イベントでオリンパスは、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「OM-D E-M1 Mark II」の開発を発表した。年内にも発売する予定で、「我々のフラッグシップモデルの価値は携帯性と信頼性、画質、スピード」と同社執行役員映像事業ユニット長の半田正道氏はアピールする。

OM-D E-M1 Mark II

一眼レフを超える高速性能へ

OM-D E-M1 Mark IIは、オリンパスのフラッグシップモデル「OM-D E-M1」の後継機種にあたり、高速性能、携帯性と信頼性、さらなる高画質を求めたモデルである。半田氏は、これまでOM-Dシリーズが連写性能で他社一眼レフカメラのフラッグシップモデルに対して後れを取っていたことを認めつつ、OM-Dシリーズが急激に性能を進化させ、さらに一眼レフを超えていく、と目指すところを示した。

フラッグシップモデルの価値は3つ、と語る半田正道氏

連写パフォーマンスでデジタル一眼レフを猛追する

レンズなどを含めたカメラシステム全体の携帯性とスピードの関係についても、携帯性は低く高速なフルサイズ一眼レフ・APS-Cサイズカメラに対して、OM-Dは携帯性は高いが低速、というのがこれまでの状況だった。しかし今後、OM-Dは携帯性だけでなく高速性能においてもフルサイズ一眼レフに迫る性能を実現すると話す。

これまでフルサイズ一眼レフなどよりも遅れていた部分を一気に解消する

OM-D E-M1 Mark IIのストロングポイント。「高速性」「持ち運びやすさと信頼性」「卓越した画質」の3点に要約される

その成果がOM-D E-M1 Mark IIだ。コンティニュアスAFで動体にピントを合わせながらフル解像度のRAW画像で18コマ/秒の連写性能を実現。シングルAF時はRAW画像で最大60コマ/秒の超高速連写が可能になった。60コマ/秒は電子シャッターの場合だが、メカシャッターでも15コマ/秒という速さだ。

AF追従で18コマ/秒の連写が可能

シングルAF・電子シャッターでは60コマ/秒の超高速連写をサポート

一新されたAFシステムは、AF測距点のカバー範囲を画面内の縦75%・横80%に拡大 (従来は縦55%・横60%までだった)。さらに121点全てがクロスセンサーとなった。像面位相差AFとコントラストAFを併用する「DUAL FAST AF」によってAFスピードがより速く。新たなアルゴリズムによって動体追従性能も向上した。

新たに「Pro Capture」モードも搭載。シャッターボタンを半押しにしたタイミングで記録を開始し、シャッターボタン全押しした時点から最大14コマさかのぼって記録できる。

EVFの性能も向上。フレームレートは120fps、表示タイムラグは6msとなり、追従性の向上と像消失時間の短縮を実現。実際に試してみると違和感は極めて微小になっており、EVFがより使いやすくなっている。

121点がすべてクロスセンサーとなるAFシステム

動体に対するAF追従性能も向上

Pro Captureモードは14コマ分、過去に戻れるタイムマシンのような機能