iOS 10の数ある新機能のなかで、自動車関連で特筆すべきは「駐車位置自動記録機能」だろう。文字どおり自動的に駐車位置が記録され、『マップ』で現在位置を基準にクルマの位置を割り出すことができる。観光地で適当に駐車してから移動したところ場所がわからなくなった、数千台規模の大型駐車場で自分のクルマを探し出す自信がない、というシチュエーションで便利に使えることだろう。

この駐車位置自動記録機能は、ある条件を満たしていれば、現在あるカーナビ/カーシステムでそのまま動作する。Appleの車載システム「CarPlay」もそのひとつだが、2016年現在日本で販売されているCarPlay対応のクルマは少なく、後付け可能なカーナビ/カーシステムについても日本向けモデルは少数で、誰でも利用できるとは言い難い。もっと多くのクルマで利用できる動作条件があるのだ。

それは、カーナビ/カーシステムがBluetoothに対応していること。ペアリングを完了し、音楽再生やハンドフリー通話などの機能を利用できる状態であればいいのだ。使いかたも覚えるというほどのことはなく、エンジンをかけたあとにBluetoothで通信できるようにしてけばいい。たとえば、カーナビでiPhoneの音楽を(Bluetooth経由で)聴いていれば、それだけで準備OKだ。

あとは、クルマのエンジンを切ればいい。システムがBluetoothの切断を検出し、クルマの位置を記録、『マップ』で調べられるようになる。位置情報はGPSの精度によるため、数メートルほどの誤差は生じてしまうが、それでも初めて訪れる場所では役に立つこと間違いなし。方向音痴を気に病まず、iPhoneの音楽をBGMに聴きながら目的地を目指そう。もちろん、音楽の再生経路はBluetoothだ。

操作手順をカンタン解説

1 Bluetooth対応のカーナビ/カーシステムとペアリングを済ませておき、クルマに乗る。エンジンを切ったときには、その位置がiPhoneに自動記録される

2 『マップ』でクルマの停車位置は「駐車中車両」として表示される

3 駐車場所の編集(位置調整)や道案内も利用できる。ビル型駐車場でも、階数を示した板を撮影して添付しておけば迷わないだろう