説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『自分宛に送信されているはずのメールが届いていません!?』という質問に答えます。

***

メールの不達は、古くからある問題です。一般的に「(電子)メール」という場合、iPhoneを含むほぼすべてのスマートフォン / パソコンではPOP3 / IMAPプロトコルに基づく「インターネットメール」を指しますが、そのしくみ自体は数十年間大きく変わっていません。言い換えれば、昔ながらのメールに関するトラブルは、iPhoneでも起こりうるということです。

自分宛に送信されているはずのメールが届いていない場合には、相手が指定した自分のメールアドレス(綴り)に誤りがある、相手のメール送信用の設定に誤りがあるという事態が考えられます。ひょっとすると、相手が利用しているインターネットサービスプロバイダのメールサーバが停止している可能性もあります。メール1通あたりの容量が大きく、送信を拒否されているかもしれません。もっとも、これらの場合送信不能を知らせるメールが相手に届いているはずですから、その時点で原因に気付くことでしょう。

自分のメール設定に問題がある場合もあります。ユーザアカウント / パスワードが相違している、自分が利用しているインターネットサービスプロバイダのメールサーバが停止している、誤って迷惑メールとして処理された(ふだんとは異なるメールボックス / フォルダに仕分けられ気付かなかった)、というケースが典型例です。

つい数日前までは当たり前のように受信できていたのに……という場合は、メールボックスの容量オーバーかもしれません。iCloudメールやGmailのようにメールボックスの容量が大きいメールサービスの場合、あまり問題になりませんが、インターネットサービスプロバイダによっては数十メガバイトということもあります。メールを受信後削除しないよう設定していると、容量オーバーを招きがちですので、メールアカウントの設定を見直してみましょう。

ひょっとすると、iOS 9で登場した「低電力モード」が原因かもしれません。低電力モードが有効な場合、iCloudメールなどプッシュ取得が可能なメールはフェッチ取得(手動受信)に切り替わるため、メールの到着を知るまで数分から数十分のタイムラグが発生しがちになり、送信されているはずのメールが届いていない、と早合点する可能性があります。

低電力モード時はメールがフェッチ取得となるため、送信されているはずのメールが届いていない、と早合点する事態もありえます