ノートパソコンの内蔵ドライブといえば、いまやソリッドステートドライブ(SSD)だ。ハードディスク(HDD)も利用されているが、SSDのほうが読み書きが速いうえに薄くて軽く、消費電力が少ない。そのうえ発熱が少なく静音性が高いとくれば、SSD採用機が増えるのも当然だ。実際、すべてのノート型MacはSSDに切り替えられている。

しかし、SSDはHDDに比べ容量あたりの単価が高く、ディスクスペースは貴重なものとなる。仕事用の文書や写真など利用頻度が高いファイルはともかく、バックアップを作成するのは……万が一の保険として重要なことは確かだが、できれば外付けドライブに作成したいもの。

この点、iTunesは融通が利かない。iPhoneのバックアップは、強制的にライブラリ以下のフォルダ(/Users/ユーザ名/Library/Application Support/MobileSync/Backup)へ保存されてしまうのだ。バックアップは最低でも1件あたり数百MB、写真やビデオをそれなりに記録していると数GBは必要となるため、貴重なSSDをかなり消費することになる。

そこで検討したいのが、iTunesのバックアップ領域を外付けドライブへ移動すること。ターミナルを利用したやや難しい作業となるが、これでバックアップによる内蔵SSDの消費を抑制できる。iOS 10にアップデートする前に、取り組んでみてはいかがだろうか。

操作手順をカンタン解説

1 「option」キーを押しながらFinderの「移動」メニューをクリック、「ライブラリ」を選択する

2 「Application Support」→「MobileSync」の順にフォルダを開き、「Backup」フォルダを移動もしくは削除する(これまでのバックアップが保存されているので慎重に)

3 ターミナルを起動して「ln -s 」(末尾に半角スペース)と入力、あらかじめ作成しておいた外付けドライブのバックアップ用領域(フォルダ名は「Backup」)をドラッグ&ドロップする

4 半角スペースを空け、続けて「"/Users/○○○/Library/Application Support/MobileSync"」(○○○の部分はユーザ名を入れ、文字列はダブルクォーテーションで囲む)を入力し、行末でenterキーを押すと、「Backup」というシンボリックリンクが作成される

5 これで、外付けドライブ上の領域がバックアップ先として利用されるようになる。あとはiTunesを起動し、従来どおり「このコンピュータ」を指定してバックアップを実行すればいい