2016年9月14日(以下すべて米国時間)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14926を、ファーストリングを選択したPCおよびモバイルにリリースしたことを公式ブログで明らかにした。前々回のOSビルド14905が8月17日、前回のOSビルド14915が8月31日。そして今回のOSビルド14926と、最近は約半月ごとにリリースしている。

Microsoft Edgeに多くの改善が加わったOSビルド14926

OSビルド14926が前ビルドと比べると、有効期限が大きく変化した。OSビルド14915は2016年10月15日頃を期限として設定していたが、今回から2017年5月1日へ変更している。これは来春のリリースが色濃いRedstone 2(開発コード名)の開発が本格的に始まったことを意味しているのだろう。Microsoft WDG(Windows and Devices Group) ソフトウェアエンジニアのDona Sarkar氏も、「ビルドの期限切れを通知しない」と注意をうながしている。

ちょうどWindows 10 バージョン1607に至るWindows 10 Insider Previewも有効期限を過ぎると起動しなくなり、クリーンインストールしか手段が残されていないようなケースが散見された。古いWindows 10 Insider Previewに対しては、本日から1日1回、有効期限に関する警告が表示され、3時間ごとに再起動する。古いWindows 10 Insider Previewをお使いのインサイダーは、新ビルドへの更新を忘れないようにしてほしい。

また、Bingの検索時やWindowsストアでのショッピング、Windows Insider Programの投票などに報酬プログラムを実施するMicrosoft Rewardを本日発表したが、執筆時点で参加できるのは米国のみだ。

さて、OSビルド14926の変更点で顕著なのが、Microsoft Edgeのスヌーズ機能である。タブのコンテキストメニューに<Snooze>という項目が加わり、選択するとCortanaのリマインダー作成が可能になるというもの。本機能は大量に開いたタブでPCのパフォーマンス低下を防ぐため、タブを再び開くことを自分にCortanaやアクションセンター経由で想起させる。お気に入りやリーディングリストを使えば済む話だが、Cortanaのリマインダーは通知を受け取った後に閉じれば消えてしまうため、お気に入り/リーディングリストのように不要になったら削除、という手間を省けるため、本機能を実装したのだろう。

Microsoft Edgeのタブのコンテキストメニューに加わった<Snooze>

<Snooze>を選択するとCortanaによるリマインダー登録が可能になる

ただし、Microsoftは「すぐにMicrosoft Edgeでサイトを開くことができる」と説明しているものの、Cortanaの通知をクリック/タップしてもリマインダーの再設定ウィンドウが開くため、あくまでも試験的に追加された機能ながらも今後のUX改良が求められる。個人的にMicrosoft Edgeに対しては、一定時間放置した後、他のタブを呼び出すとレスポンスが悪くなる問題の解決を期待したい。

指定時間になるとCortanaの通知が現れる

もう1つの改良はWindows 10 Mobile Insider Previewのみに加わった「設定」の「ネットワークとワイヤレス/Wi-Fi」。以前の同カテゴリーは「Wi-Fi(legacy)」に改称し、両者を使用可能な状態になっている。Windows 10 Mobileをお使いの読者諸氏ならご承知のとおり、以前は「Wi-Fi」を選択すると最初にアクセスポイントの検索を行うが、新たな「Wi-Fi」は何らかのロジックでアクセスポイント情報をキャッシュしているのか、即座に現れるようになった。MicrosoftはUXを改善するための改良と説明しているが、既存機能をすべて移行させていないため、両者を残したようである。なお、OSビルド14926から、無線LANデバイス同士の暗号化設定を容易に行えるWi-Fi Protected Setup(WPS)をサポートした。

Windows 10 Mobile Insider Previewに加わった「Wi-Fi」と既存のWi-Fiを改称した「Wi-Fi(legacy)」

「Wi-Fi」を開いた状態。遅延がなくすぐにアクセスポイントが表示された

地味ながらもUXの改善という点では、あらかじめ不要なUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションのアンインストール情報を保持するようになった。例えば「新しいOffice」は、既にOffice 365 Soloなどをお使いの方にとっては無用の長物だ。また、サインインオプションとしてPINをお使いの場合、[Num Lock]キーの状態に関わらず、数字入力が可能になっている。

Microsoft Edgeの新しい拡張機能として、利用者がWebページ上でコンテンツを自由にカスタマイズできる「TamperMonkey」とMicrosoft系EコーマスサイトでのショッピングUXを改善する「Microsoft Personal Shopping Assistant」をインサイダー向けにリリースした。こちらはMicrosoft Edgeの<拡張機能>から参照できないため、本稿のリンクからアクセスしてほしい。詳細については後日稿を改めてご報告する。なお、Microsoft Edgeにはお気に入りをHTMLファイルにエクスポートする機能も加わった。

新たな拡張機能の1つ「Tampermonkey」

こちらも新拡張機能「Microsoft Personal Shopping Assistant」

<…>アイコン→<設定>ボタン→<お気に入り設定の表示>ボタンと順にクリックすると現れるエクスポート実行ページ

さて、ここからはPC版の修正内容と既知の問題を紹介する。まずはPC版の修正箇所から。

  • Adobe Acrobat Readerを起動するとクラッシュする問題を修正した。
  • <個人用設定>を開くと「設定」がクラッシュする問題を修正した。
  • 一部のIntel ATOM(Clovertrail)搭載デバイスでアイコンやテキストが正しく表示されない問題を修正した。
  • 「Counter Strike: Global Offensive」をフルスクリーンでプレイする際に、ネイティブな解像度のスケーリング処理が向上した。
  • Kindle PaperwhiteやVoyageをPCに接続/取り外すと、Windows 10でBSoD(BlueScreen of Death)が発生する問題を修正した。
  • 大量のテキストを含むHTMLを読み込むWebページのパフォーマンスを改善した。これによりTweetDeckなどのWebサービスも快適に動作する。
  • Windows 10 Insider Preview上のMicrosoft Edgeで、FacebookやOutlook.comなどを表示した際の信頼性の問題を改善した。
  • Microsoft Edgeで、Webサイトが意図しないファビコンが表示されていた問題を修正した。
  • 通知領域のWi-Fiアイコンの内容が、電波状態が悪い時に正しく表示されるように修正した。
  • 初代Surface ProおよびSurface Pro 2の無線LANデバイスや、Xbox用ワイヤレスアダプターなどが動作しなくなる問題を修正した。
  • エクスプローラーの<コマンドウィンドウをここで開く>が正しく動作せず、「C:\Windows\System32」フォルダーをカレントフォルダーとしてコマンドプロンプトが起動する問題を修正した。
  • タスクバーを自動的に隠す設定を有効にしている際、動画再生などフルスクリーン表示後にフォーカスが移動する問題を修正した。

次はPC版で確認された既知の問題を紹介する。

  • 「ナレーター」と「Grooevミュージック」を同時使用中に、コントロールが利かない問題を確認している。
  • 別のユーザーアカウントへ切り換えると黒い画面が表示され、サインインに失敗する問題を確認。PC再起動後はそのユーザーアカウントでサインインできる。
  • VirtualBox上でWindows 10 Insider Preview ビルド14926にアップデートすると、起動時にクラッシュする問題を確認している。
  • 「Windowsの機能」によるコンポーネントの管理が正しく動作しない。その場合は、1度チェックボックスのオン/オフを切り換えてPCを再起動してから、再び有効にする。
  • 「電卓」「アラーム&クロック」「ボイスレコーダー」など1部のUWPアプリケーションが正しく動作しない。削除後にストアから再インストールすれば使用できる。
  • 「設定」で[Tab]キーを押しても応答しなくなる。Microsoftは矢印キーによる操作を推奨している。

ここからはモバイル版の修正内容と既知の問題を紹介する。まずは修正箇所から。

  • Lumia 635/636/638で「メッセージング」「マップ」などのアプリケーションが画面外にレンダリングされてしまう問題を修正した。
  • Windows 10 Mobile Insider Preview上のMicrosoft Edgeで、FacebookやOutlook.comなどを表示した際の信頼性の問題を改善した。
  • 適度なボリュームに設定していた際に、ロック/アンロックオンがかろうじて聞こえる程度の音に修正した。
  • 非通知モード有効時間内でもバナー通知がアクションセンターなどに現れる問題を修正した。
  • Cortanaのリマインダーページを開くとクラッシュする問題を修正した。
  • 「設定」のVPN設定ページに対する信頼性を改善した。
  • 撮影した動画が「フォト」のサムネイルでアスペクト比が崩れるなどの問題を修正した。

最後にモバイル版で確認された既知の問題を紹介する。

  • Lumia 650などの1部のデバイスで、エラー0x80188308が発生し、OSビルド14926のインストールに失敗する問題を確認している。
  • アクションセンターが空の状態でスワイプしても閉じない問題を確認している。
  • モバイルホットスポット機能を初めて使う際、スマートフォンを再起動するまで使用できない問題を確認している。
  • PINパッド(PIN入力用の数字キーボード)が表示されず、ロック解除できない問題を確認している。解決にはハードリセットが必要。
  • いくつかのデバイスでSIMカードが能力を失う(認識しなくなる?)問題を確認している。解決にはハードリセットが必要。

以上でWindows 10 Insider Preview ビルド14926についても紹介を終えるが、Snapdragon 617で発生中のWindows 10 バージョン1607へ更新すると、Continuum for Phonesが動作しない問題について言及していない点に不安を覚えるのは筆者だけではないだろう。冷静に考えればWindows 10 バージョン1607の問題のため、Windows 10 Insider Previewとは関係ないため、Sarkar氏が言及する必要ないのかも知れないが、VAIO関係者からは「Microsoftと共同して問題解決に取り組んでいる」と伺っているので、筆者を含めた該当する利用者は、今しばしの辛抱だ。なお、Windows 10 Mobileデバイスのリセット手順はこちらを参考にすれば実行できる。

阿久津良和(Cactus)

前回の記事はこちら
・Windows 10 Insider Previewを試す(第65回) - 半月ぶりに登場したOSビルド14915
http://news.mynavi.jp/articles/2016/09/01/windows10/
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Windows 10 すべてがわかる特集記事はこちら
【特集】~インストールから設定・活用まで~ すべてが分かるWindows 10大百科
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