映画監督に、出演役者の印象を伺っていく「監督は語る」シリーズ。今回とりあげるのは、真剣佑(19)だ。アメリカ・ロサンゼルス出身で、2014年より日本で活動を開始。映画『劇場版仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』(15)、『ちはやふる』(16)など、話題の作品に次々と出演、真っ直ぐな魅力に人気上昇中だ。

ドラマ『仰げば尊し』(16)での金髪姿も話題となったが、最新映画『にがくてあまい』では、林遣都演じるゲイでベジタリアンの高校教師・片山渚から思いを寄せられるが全く気づいていない後輩・馬場園あつしを演じる。期待の新星を、監督はどう見ているのか。

草野翔吾
1984年生まれ、群馬県出身。早稲田大学社会科学部在学中より映画制作を始める。在学中に監督した長編映画『Mogera Wogura』(07)は、学生映画ながら一般劇場で上映され、話題を呼んだ。2012年に公開した長編映画『からっぽ』が、第4回沖縄国際映画祭パノラマスクリーニング部門や第27回高崎映画祭"若手監督たちの現在"を始め、国内外の映画祭で上映されている。

真剣佑の印象

役もピュアですし、ご本人もピュアです。衣装合わせの時に初めて会ったんですが、「こんなにキラキラした人が世の中にいるんだな」と思うくらい、輝いて光を発していました(笑)。それでいて折り目正しく、すごく丁寧な方ですね。裏も表もなく、渚と馬場っちのシーンは任せっきりでしたが、とても面白く楽しくしていただきました。

僕は女性をかわいく撮ることに関してはこだわりがあって、これまでもある程度できているのかなと思っていましたが、今回は男性のかわいさ、セクシーさをすごく意識的に撮りました。真剣佑さんは元からキラキラと輝いているので、そういった点では助けられましたね。

撮影現場での様子

ピュアで天然な体育の先生役だったので「バカバカしいくらい全身緑にしよう」と話していて、いもくさい緑のジャージの衣装を用意してもらったんですが、着てもらったらすごくカッコよくなってしまって、困りました。身体能力も高すぎて、何をお願いしてもノリノリでやりきってしまうんです(笑)。

けっこう台本にないことも試していただいたんですが、こちらも「かわいいなあ」と思ってニタニタしながら撮影していました。撮りながらもそう思うくらいなので、映画を観ている方にとっても、ふっとリラックスできるようなシーンになっているのではないかと思います。

映画『にがくてあまい』でのおすすめシーン

渚と、きゅうりについて語っているくだりは何度も見て欲しいですね(笑)。ここは会話をお任せしていて、脚本にはないやりとりも飛び出しています。ぜひノーカット版でお見せしたいくらいです。内容はネタバレになってしまうので、見てのお楽しみです。現場みんなで笑いながら、カットもかけず、二人の会話に聞き入っていました(笑)。

(C)2016映画「にがくてあまい」製作委員会