ネットギアジャパンは9月13日、都内で同2日に販売を開始したデスクトップ型6ドライブベイNAS「ReadyNAS 626X」「ReadyNAS 526X」と、2Uラック型NAS「ReadyNAS 4312X」「ReadyNAS 4312S」「ReadyNAS 3312」の説明会を開催した。

米NETGEAR Vice president SMB Product Line ManagerのRichard Jonker氏

10GBASE-Tポートを搭載したNAS - OSは新機能としてDRを提供

冒頭、米NETGEAR Vice president SMB Product Line ManagerのRichard Jonker氏は「SMBは大手企業と同じ課題を抱えているにもかかわらず十分な予算はない。そのため、SMBは大型のITを手に入れる必要はなく、現状で必要なものを用意し、大型化した時にスケールアウトする。また、SMBにはIT部門がないため製品は扱いやすいほか、設定・設置が簡単なものが好まれる。そこで、われわれはエンタープライズクラスの製品を適切な価格、扱いやすい形で提供している」と述べた。

ReadyNAS 4312Xは10GBASE-Tポートを2基、ReadyNAS 4312Sは10G SFP+スロットを2基、ReadyNAS 626XとReadyNAS 526Xは10GBASE-Tポートを2基搭載している。いずれの機種も、2つの10Gポートを束ねるリンクアグリゲーション機能により、最大20Gbpsの高速通信と片側のポートが故障しても通信を継続できる冗長化がなされている。

「ReadyNAS 626X」

「ReadyNAS 626X」の背面

「ReadyNAS 4312X」

「ReadyNAS 4312X」の内部

プロセッサは、ReadyNAS 4312X、ReadyNAS 4312S、ReadyNAS 3312の各製品はインテル Xeonクアッドコアプロセッサと16GB DDR4 ECCメモリ(ReadyNAS3312は8GB)、ReadyNAS 626XはXeon クアッドコアプロセッサと8GB DDR4 ECCメモリ、ReadyNAS 526XはPentium デュアルコアプロセッサと4GB DDR4 ECCメモリを搭載している。

最新のプロセッサと大容量メモリ、10GbEのアグリゲーションにより同時接続数160を実現し、いずれの機種もメモリは64GBまで拡張可能となっている。そのほか、実施回数無制限のスナップショット、長期間アクセスのないファイルも保護するビットロットプロテクション機能、無償で使用可能なリモートレプリケーション機能なども備えている。

新製品は10GbEにアップグレードする企業やパフォーマンスを重要視する企業の支店・支社、教育・医療機関、写真・映像スタジオをターゲット顧客とし、1Gbps以上のスループットが必要なファイルサーバ、信頼性の高いデータバックアップ、仮想サーバ/クライアントのリモートストレージ領域を主要な利用ケースとして想定している。

また、ReadyNAS OSの新機能として「ReadyDR」を発表した。Jonker氏は同機能について「完全自動で常に同じデータを複数カ所に保存が可能だ。また、NASやSAN、仮想環境で使用可能なディザスターリカバリー・ソリューションであり、ユーザーが使用するすべてのプロトコルでテスト済みだ。エンタープライズクラスのテクノロジーをSMBに対して提供することは大きな一歩を踏み出せたのでないか」との認識を示しており、9月~10月中に無償による提供開始を予定している。

「ReadyDR」の概要

中小企業向けスイッチは10GbE LANスイッチが需要拡大の傾向

続いて、ネットワークの動向としてLANスイッチについて同氏は言及した。同社ではヨーロッパ、アジア、米国において約1000社のSMB企業の経営者とITマネージャにアンケート調査を行った結果、IoT機器が生成するデータが必要とする帯域は1年半ごとに倍増する状況下において、10GbE LANスイッチの導入を検討している企業は100%だったという。

さらに、10GbE LANスイッチを保有している企業は33%、75%の企業が2017年末までに購入すると回答した。同氏は「今後、中小企業ネットワークにおいて10GbE LANスイッチのシェアは上昇していくことが想定されている。中小企業の3社に1社のネットワークは30%以上が10GbE LANスイッチであり、2017年末までに3社に2社のネットワークの30%は同スイッチになるだろう。この傾向は加速しており、ネットワークがさらに利用されるようになってきたことが要因だ」と説明した。

SMB向け10GbE LANスイッチの需要拡大が見込まれる

加えて、10GbE LANスイッチを保有する企業に対し、なぜ購入したのか質問したところ、10社に4社がネットワークパフォーマンスのボトルネックを見越して準備していると回答した。今後見込まれる中小企業ネットワークの10GbE LANスイッチの需要拡大に期待するJonker氏は「15年前から続く1つの傾向としてサーバの仮想化が挙げられるが、SMBに伝わるまでに時間を要した。ここ数年は、SMBの世界でもサーバの仮想化が受け入れられており、2~3年前まで10GbE LANスイッチは高価なものだったが、われわれはSMBに適した価格帯でシェアの獲得を目指す」と述べた。