iPhone 7を巡る顧客争奪戦が激しくなってきた。KDDIは9日、大容量データ定額サービス「スーパーデジラ」を9月15日より開始すると発表した。ソフトバンクも昨日、同様のサービスとして「ギガモンスター」を発表しており、今後は残るNTTドコモの動向も注目される。

スーパーデジラはギガモンスターの違い

スーパーデジラは、基本料金プラン「スーパーカケホ」「カケホ」の契約者が選べる大容量のデータ定額サービス。月額6,000円で月間20GB利用できる「データ定額20」と月額8,000円で月間30GB利用できる「データ定額30」の2種類ある。同様のサービスはソフトバンクも発表しており、利用可能データ量、月額利用料ともにまったく同じだ。

図表内赤枠がスーパーデジラ利用時の月額利用料

スーパーデジラのサービスサイトはまだ存在せず、突貫的なサービスという印象もあるが、それ以外の点で、両社のサービスにはわずかな違いもある。KDDIでは余ったデータ容量をすべて翌月に繰り越せるが、ソフトバンクでは5GBまで。さらに、テザリングオプションについて、KDDIもソフトバンクも月額1000円で提供するが、KDDIは2017年4月末までキャンペーンとして無料で提供する。

ここまでは、KDDIに分があるが、不明なのは直近3日間のデータ通信量の制御対象になるか否かだ。大容量のデータ定額サービスを契約しても、通信制限がかかるのであれば、利便性は著しく低下してしまう。この点について、ソフトバンクは通信速度制御の対象外とするが、KDDI広報部によると「現在検討中」であるとしている。

残るはドコモがどう出るか

今回のサービスはiPhone 7の発表を機に、顧客獲得を目指して双方が出してきたサービスだ。日本におけるiPhoneのシェアは高く、新iPhoneを中心に例年キャンペーンやサービスプランが大きく動く。iPhone 7の発売までまだ1週間あるが、それまでに先行してサービスを発表したソフトバンクが対抗措置をとる可能性もある。また、モバイル通信サービスは3社横並びとなるのが常であり、今後はNTTドコモの出方にも注目される。今年もiPhoneを巡り各社の動きが活発になってきた。

9月9日20時10分更新
ソフトバンクは9日、基本データ量のうち余ったデータ容量のすべてを翌月へ繰り越し可能にするとともにテザリングオプションを2017年4月末まで無料で提供すると発表しました。これにより通信制限の有無以外については両社同条件となっています