Rolexに続いて売上は2位

続いては、Apple Watch Series 2について。最初にティム・クック氏から2015年の腕時計市場の動向についての報告が。それによると売上で言うとRolexに続いて2位。発売開始から8カ月での話である。その下にいるのがFossil、Omega、Cartierと、歴史のあるブランドが並んでいる。これまた「事件」と言えるトピックだ。

「Pokemon Go」のApple Watchアプリ版のリリースが公表された

Nianticのジョン・ハンケ氏が登壇

ここでプレゼンターはCOOのジェフ・ウィリアムズ氏へとバトンタッチ。WWDC 16で発表されたwatchOSの復習から、純正アプリ以外でも素晴らしいサードパーティのアプリがあるという前フリにのって、「Pokemon Go」のApple Watchアプリ版のリリースが公表される。どよめく場内、これも「事件」だ(一発目にして最大の歓声が上がった「事件」については後述)。筆者はプレイしていないので分からないが、Pokemon Goには「Pokemon GO Plus」という専用のウエアラブルデバイスが存在するらしい(本当に知識なくて申し訳ない。非IT系の人間が知ってることってこの程度なのだ)。一瞬、それと競合するのではないかと思ったが、そもそも、そのPokemon GO Plusにインスパイアされて開発に着手したのだと、Nianticのジョン・ハンケ氏。プレゼン詳細に関しては、笠井美史乃さんの記事をご覧頂きたい。筆者は「ポケストップ」って何?ってレベルなので、あ、分かってない奴が書いてるなということがバレる前に。ただ、ヘルスケアやアクティビティと連動して楽しめることは分かったので、機会があればやってみようかなとは思った。

Apple Watch Series 2では潮を噴くように本体スピーカー部に侵入した水を排出する

そして、ようやく本体の発表。iPhone 7/7 Plusは「耐水」だが、こちらは「防水」だ。50mの水圧に耐える。水泳などでも使えるとのことで、ワークアウトには「プール」と「オープンウォーター」を用意。ラップタイムや平均ペースの計測に加え、カロリー消費量を測ることもできるようである。またまた個人的な話で申し訳ないのだが、今度はIT系かどうか関係なく、筆者は泳げないのだ。泳げないので、プレゼンの内容も理解できなかった。こちらも詳細は笠井美史乃さんの記事をご覧頂きたい。筆者は死ぬまでこの機能を使うことはないだろう。

GPS内蔵。屋外のワークアウトでも距離やスピードを計測できる

防水の噂もあったが、もう一つの噂もその通りだったGPS機能。インターネットへの接続がなくても、現在地やマップ、経路の確認が行えるほか、屋外のワークアウトで距離やスピードを計測できる。

セラミックを使用したラインがEditionモデルとなる

Series 2では素材にセラミックを使用したモデルがラインナップされた。これは18金を使ったEditionモデルのリプレースとなる。ケースにセラミックを使った腕時計と言うと、Chanelの「J12」ラインがパッと思い浮かんだのだが、Appleのイベントにちょいちょい顔を出していたカール・ラガーフェルドが絡んでんじゃねーの?と邪推してしまった。ともあれ、イメージ的にはああいう感じなので、すぐ分かって頂けるかと。

一応、スペックについて触れておくと、新搭載のS2チップは初代モデルと比較してパフォーマンスが50%以上の向上。GPUはグラフィック性能が2倍向上。ディスプレイの明るさは従来の2倍となっている。

価格は37,800円から。初代モデルはS1からS2にチップを乗せ変えて名称も「Apple Watch Series 1」とし、27,800円からのラインナップとなる。

Apple Watch Hermesにも新モデル登場

さらに、Hermesとのコラボモデルも追加。38mmモデルとダブルバックル・カフ、42mmモデルとシンプルトゥールデプロイアントバックルが登場した。なお、初代Apple Watch Hermesでラインナップされていた42mmのカフは姿を消している。ダブルバックル・カフは、Hermesでシューズとジュエリーのクリエイティブディレクターを務めるピエール・アルディが手掛けたアイコニックなサンダルのデザインをベースにしていると思われる。ローズ・ジャイプール、エトゥープ、ブルー・アガトの新色も追加。シンプルトゥールにDバックルを取り付けたモデルはクラシカルながらもシャープかつモダンな印象だ。アネモネなどの新色が加わっている。価格は38mmのシンプルトゥールが118,800円、42mmのシンプルトゥールが123,800円。38mmのドゥブルトゥールが133,800円、42mmのシンプルトゥールディプロイアントバックルが143,800円、38mmのダブルバックル・カフが153,800円。9月9日より予約受付が始まり、9月下旬発売予定。ストラップの単体発売も行われ、こちらは9月16日より販売開始で、価格はシンプルトゥールが39,800円、ドゥブルトゥールが54,800円、ダブルバックル・カフが74,800円となる。

Apple Watch Nike+を発表

Apple Watch Series 2、もうひとつ。Nikeとのコラボモデル「Apple Watch Nike+」が発表された。Hermesとのコラボモデル同様、このラインだけのウォッチフェイスが用意されている。プレゼンターはNile Brandの社長・トレバー・エドワーズ氏。「Nike+ Run Club」アプリとの連動、毎日曜日にワールドワイドな規模で開催される「JUST DO IT SUNDAY」などが紹介された。このコラボには、Appleのフィットネス&ヘルステクノロジー担当ディレクターであるジェイ・ブラニック氏の影がチラチラするのだが、それは穿ち過ぎか。アルミニウムケースを採用し38mmと42mmで展開。専用のNike Sport Band、ブラック/ボルト、ブラック/クールグレー、フラットシルバー/ホワイト、フラットシルバー/ボルトの4色からセレクトできる。価格は38mmが37,800円、42mmが40,800円。9月9日り予約受付が始まり、10月下旬発売予定

watchOS 3はiOS 10と同じく9月13日に公開予定となっている。

Apple Watchの発表見ていて感じたのは、今回、ヘルス/フィットネス、スポーツ寄りで機能重視の方向だなということだった。初代Apple Watchの発表会で見かけたモード系バリバリのファッション誌のエディターが皆無だったのも頷ける内容であった、Hermesコラボの追加があったとしても。各国プレス陣のファッションチェックしながら、そんなことを考えた。あーわかるわかると頷いて頂けるような例えをすると、アントワープ6の一人、Dirk Bikkembergsがエッジィな路線止めて、スポーツブランドに方向転換したあの感じなのだ。方向性変わっても、Bikkembergsはブランドとして継続しているし、成功を収めてもいる。規模感は大分異なるが、Apple Watchも同じような展開となっていくのか気になるところではある。