ドイツ・ベルリンで開催中の家電イベント「IFA2016」にて、ティアックは未発表のハイエンド製品群「Reference 7」シリーズを限定公開した。そのほか、ハイレゾ対応アンプ「AI-503」を一般向けに初めて披露した。

「New Vintage」を掲げる「Reference 7」

ティアックのブースを訪れ、取引先との商談ゾーンまで案内されると、そこには80年代のオープンリールデッキ「X-1000R」と並んで、フルサイズのネットワークCDレシーバー (プロトタイプ) が展示されていた。

商談コーナーで異彩を放っていた「X-1000R」。USB DAC搭載のオープンリールデッキを出すとのジョークを真に受けて、唇が震えるほどうろたえてしまった

こちらが「Reference 7」の先陣を切る予定のネットワークCDレシーバー「NR-7CD」

この未発表のネットワークCDレシーバー「NR-7CD」は、同社が開発中の新製品群「Reference 7」を構成するもの。同社はこれまでデスクトップオーディオ向けのハイレゾ対応製品として「Reference 101 / 301 /501 / 503」をシリーズ展開してきたが、Reference 7はその上に君臨するフルサイズ製品群となる。

Reference 7が掲げるコンセプトは「New Vintage」。ティアック 執行役員 音響機器事業部 オーディオ ビジネスユニット長の大島洋氏は、「創業者である谷勝馬のスピリットを受け継ぎつつ、単なるレトロ主義に留まることなく、最先端のフルサイズコンポを展開することに挑戦する」と、New Vintageに込めた思いを語ってくれた。

青梅の工場で生産される「MADE IN JAPAN」。繊細なRが美しい側面パネルやボリュームノブの質感など、まったく抜かりがない

電源部からDAC部、アナログ出力段まで、左右のチャンネルが独立したデュアルモノーラル構造を採用。CD音源をDSD 12.2MHzまでアップコンバートする機能もあり、実際の音を耳にするのが楽しみだ

コンセプトは「New Vintage」。昔はよかった、と振り返るだけでなく、新しい世界を切り開くという意思が込められている

同じく「New Vintage」コンセプトのもと、ハイレゾ対応の一体型サウンドシステム「ES-A70」(プロトタイプ) も展示。曲木加工された重厚感あるウッドボディもさることながら、着脱可能なスピーカーグリルには日本のさまざまな織物や和紙の技術を採用したというこだわりの逸品である。

ピュアなオーディオファンだけでなく、生活を豊かに演出したい音楽ファンに向けても広く訴求したいとして、インテリアショップなど家電量販店以外のチャネル展開も検討中とのことだ。

一体型サウンドシステム「ES-A70」

スピーカーグリルを交換して、インテリアに合わせたり、季節ごとに気分を変えたりできる

京都の織物、和紙、はたまたコンピューターを駆使したものまで、豊富なバリエーションを検討中

前面全体ではなく、スピーカー部分だけにグリルを張ることもできる

一部仕様リスト。BluetoothだけでなくWi-Fiも搭載。アップルのAirPlayも使える。DACはDSD 5.6MHz、PCM192kHzまでのサポートだ