中国のファーウェイは8月31日~9月2日、中国上海で同社の年次イベント「HUAWEI CONNECT 2016」を開催した。同イベントでは上海エキスポ・センターと上海World Expo Exhibition & Convention Centerの2箇所に展示会場を設置。同社のほか、パートナーのソリューションも数多く展示されていた。ここでは、NB-IoTソリューションを中心にレポートする。

展示会場の1つ上海エキスポ・センター

Elevators Connection

エレベータソリューション

上海World Expo Exhibition & Convention Centerには、同社が8月31日に発表したシンドラー社との提携によるエレベータソリューションが展示されていた。このソリューションは、エレベータに取り付けられたセンサーデータを、ファーウェイのネットワークを介してクラウド上に蓄積。これらのデータを分析することで、故障の事前検知に役立てるというもの。

エレベータには、ゲートウェイとしてLinuxベースのエッジコンピュータを搭載し、エレベータに取り付けられたセンサーデータを収集する。これをSDNで構築されたネットワークを介してクラウド上に保管し、データを分析する。

ゲートウェイとなるLinuxベースのエッジコンピュータ

スマート・パーキング

ファーウェイは、Mobile World Congress(MWC)上海 2016(6月29日~7月1日)で、チャイナ・ユニコム上海と共同で、NB-IoT(Narrow-Band IoT)を活用したスマート・パーキング・ソリューションを披露したが、展示場にはこのブースが複数設けられていた。

スマート・パーキングのデモブース。中央にあるのがセンサー

センサーの実物

スマート・パーキングの概要

スマート・パーキングアプリ。地図上のいずかのパーキングをクリックすると詳細を参照できる

LiteOS

ファーウェイは、IoTに関して、接続とインフラの部分を提供するが、その基本となるのが「1+2+1」戦略だ。「1+2+1」は、1つのIoT OS、2つの接続方式、1つのプラットフォームで構成される。1つのOSとは、同社が開発するオープンソースOS「Huawei LiteOS」だ。このOSは10KB未満という非常に小さいもので、チップに組み込まれ、自動車、産業機器、スマートメーターなどの各IoT機器に搭載される。

IoTの接続とインフラの部分を提供する「1+2+1」戦略

LiteOS

LiteOSはIntel、ST、NXP、Freescale、TI等のチップをサポートするが、展示会場には実際の基板が展示されていた。

LiteOSを搭載したチップ

スマートメーター

また、展示会場では、Narrow-Band IoT(NB-IoT)ソリューションとして、スマートメーターやスマート照明も展示されていた。

水道向けのスマートメーター

ガスのスマートメーター

スマート照明

オーストラリアでは上下水道会社であるサウス・イースト・ウォーター、通信事業者であるボーダフォン・ハチソン・オーストラリアならびにオプタスと協力し、NB-IoTソリューションを活用したスマート・ウォーター・マネジメント・システムを検証。また中国ではチャイナ・テレコム(中国電信)および深せん水務集団とスマート・ウォーター・マネジメントの実現に向けた戦略提携に合意している。