仮性近視で視力回復させるには

仮性近視の場合は、「一時的に低下した視力を回復させられる」という

ただ、仮性近視の場合は、毛様体の緊張がなくなれば通常の視力に戻る。すなわち、仮性近視状態をきちんとリセットさせれば、「一時的に低下した視力を回復させられる」というわけだ。以下にその方法をまとめたので参考にしてほしい。

■ゲームやパソコンをやりすぎないようにする

「仕事でどうしてもパソコンを長時間使わざるをえないのであれば、自分の目の調節力を使わないためにも、プラスの加入度数の入ったパソコン用メガネを20代からでもかけるようにしましょう。近視化が防げます」。

■スポーツや運動をする

「休日は外に出て、トレッキングや軽いウオーキングなどをやるようにしましょう。また、テニスや卓球などのスポーツは、ボールがあちこちに飛ぶのを見ることになり、目のトレーニングになります。近くの物ばかりを見る趣味よりは、こういったスポーツのほうが断然いいです」。

■質のよい睡眠をとる

「質のいい睡眠をとり、前日に疲れて近視化している目をリセットさせないといけません。『朝に視力が回復している状態を絶えさせない』ということの積み重ねが重要ですね」。

■目と首筋を温める

「日本人は温泉や銭湯が好きだと思いますが、湯船につかったらリラックスして頭をぼーっとさせましょう。お風呂につかって循環をよくし、目に蒸しタオルを置いたり首筋を温めたりすると目の疲れがかなり取れるのでお勧めです」。

また、多忙なビジネスマンは「目によい習慣作り」のためにも、ぜひとも朝型の生活をしてほしいと味木医師は助言する。深夜に長々と仕事をすると仕事の能率は悪くなるし、寝る直前まで目を酷使すると目の回復力が低下し、近視化を招きやすいからだ。

そのうえ、脳が疲れて興奮した状態では、睡眠の質も悪化するため、目にとってはダブルパンチといえる。仕事が多い人は、仕事開始時間を1時間早めるなどの工夫をして、なるべく深夜にまで作業が及ばないようにするのもいいだろう。

まずはできる範囲のことから始めよう

特別な費用をかけずに低下しきってしまった視力を回復させる方法は、残念ながらない。ただ、近視につながる仮性近視を手軽に防ぐ方法はある。中高年での加齢による視力低下は不可避だが、若年層での無用な視力異常を防ぐためにも、できる範囲のことから始めてみてはいかがだろうか。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。