iPhone 5s以降、iPhoneには「モーション・コプロセッサ」が内蔵されている。CPUが演算など主処理装置としての役割を果たすことに対し、システム全体の効率アップを図るべく特定の処理をCPUに代わり実行するチップだ。CPUの力を借りずに加速度センサーや電子コンパスなどのセンサー類を制御できるため、省エネに貢献できるメリットがある。

そのモーション・コプロセッサは、つねにオンの状態だ。iPhoneを使いはじめた時点から動作しはじめ、ごくわずかな電力消費で各種の情報を記録する。万歩計のようにコツコツと積み上げた情報が必要なアプリも、「M7」や「M8」、「M9」といったモーション・コプロセッサが搭載されるようになってからは開発が容易になった。

iOSに標準装備の『ヘルスケア』も、その恩恵を受けているアプリだ。モーション・コプロセッサが自動的に記録した機能を取り出すことで、「ウォーキング+ランニングの距離」や「登った階数」などの情報がわかる。グラフとして視覚化すれば、日々の運動量の変化も一目瞭然だ。

歩数もしっかり記録している。「ウォーキング+ランニングの距離」は移動距離として表示されるが、こちらはモーション・コプロセッサが移動幅や上下運動などの情報をもとに1歩を判定、歩数データとして積み上げる。歩数計専用機とは1歩をカウントする精度は異なるものの、簡易的な歩数計としてはじゅうぶん使える。

その歩数だが、『ヘルスケア』でグラフとして表示してもいいが、iPhoneに蓄積されている数値データをそのまま表示する方法もある。端末の初期化を行っていないかぎり、iPhoneを購入したその日からの歩数を確認できるので、自分の運動量の推移を確認するにはもってこいだ。

操作手順をカンタン解説

1 『ヘルスケア』アプリで「ヘルスケアデータ」タブを表示し、「歩数」をタップする

2 「すべてのデータを表示」をタップする

3 iPhoneを使いはじめた日からの歩数データを確認できる。日付をタップすれば、時間ごとの歩数も確認可能だ