新メニュー攻勢や不採算店舗の“戦略的閉店”などが奏功し、業績が回復基調にある日本マクドナルド。次の施策は、ファストフード店にとって主戦場ともいうべきランチタイムの強化だ。低価格メニューを拡充し、ランチ客により多くの選択肢を用意する今回の取り組みだが、注目したいのは、朝マックでおなじみの“コンビ”がランチメニューにも登場することだ。

「バーガーラブ」路線で次々に繰り出す新商品がヒットし、好調な業績をキープするマック。今は月見バーガーの季節だ

500円前後のランチメニューに幅

マックが新たに導入する「バリューランチ」は、2015年10月に終了した「昼マック」以来となるマックのランチタイム割引だ。「てりやきマックバーガー」など、定番バーガー3種類のセットがバリューセットに比べ70円安い550円となり、「ビッグマック」および「チキンフィレオ」には、Sサイズのドリンクと組み合わせて400円になる「コンビ」という注文方法が導入される。朝マックでおなじみのコンビが昼にも登場する格好だ。バリューランチに期間は定められていない。

「昼マック」では、定番バーガー10種類のセットメニューを350円、450円、550円の3つの価格で提供していたマック。昼マック終了後は、「おてごろバーガー」として「エッグチーズバーガー」など3種類のハンバーガーを用意し、これらのセットメニューを500円で提供している。

おてごろバーガーは販売開始以来、これまでに8,000万個以上も売れており、マックも手応えを得ている様子。しかし、マックをランチで利用する顧客の視点で考えてみると、ワンコインで選べるメニューの幅は、昼マックの終了で狭まったといわざるを得ない状況だった。マックはバリューランチで500円前後の選択肢を増やし、ランチ客の集客につなげたい意向だ。

“ランチにコンビ”は女性客に受ける?

バリューランチの組み合わせと価格

ランチメニューへのコンビの導入は、女性客の集客にも効果がありそうな施策だ。コンビは「ビッグマック」あるいは「チキンフィレオ」とドリンクのSサイズを割引価格で注文できる仕組みだが、これは見方を変えると、セットメニューからポテトなどのサイドメニューを抜いた組み合わせが、低価格で注文できるようになったと捉えることができる。ビッグマックセットのポテト抜きがコンビに相当するという考え方だ。

日本マクドナルドによると、ポテトなどのサイドメニューとハンバーガーの組み合わせを、量が多すぎるという理由で敬遠する女性客は確かに存在するようだ。こういった客層に対し、量的に丁度いい選択肢としてコンビが受けるかもしれない。パイやマックフルーリーなど、スイーツの展開にも注力するマックだけに、コンビでは少し物足りないという女性客に対しては、「ご一緒にデザートはいかがですか」とアピールしていくのも有効な手立てとなるだろう。