ディーアンドエムホールディングスは8月29日、東京・Shibuya O-WESTにて、デノンブランドのハイレゾ対応イヤホン「AH-C820」「AH-720」「AH-620R」の製品発表会を開催した。

デノンは今年ヘッドホン販売50周年を迎える

ディーアンドエムホールディングス取締役の中川圭史氏

2016年は、デノンブランドにとってヘッドホン販売50周年を迎えるアニバーサリーイヤー。ディーアンドエムホールディングスの取締役である中川圭史氏は、50年の歴史を振り返りながら、今回の新作イヤホンにも伝統技術を投入していることを語った。デノンブランドは今後、ヘッドホン販売50周年を記念した製品の発表やキャンペーンの実施を予定している。

会場には、1967年発売のヘッドホン「SH-21」も展示。約50年前の製品であることを感じさせない洗練されたデザインが目を引く

続いて、開発担当者から新作イヤホンが紹介された。新たにラインナップに加わったのは、「AH-C710」の正当な後継機「AH-C720」のほか、上位モデルの「AH-C820」、より気軽に使える「AH-C620R」の3機種だ。開発のコンセプトは"Back to the Basic! "。「良い伝統はしっかりと継承しながら、最新の技術とノウハウを惜しみなく投入することで、さらなる音質的飛躍を目指した」とのことだ。

AH-C820。カラーはブラックのみ

装着したところ

AH-C820

最上級モデル「AH-C820」は、2基の11.5mmダイナミック型ドライバーを向かい合わせに配置し、振動面積をシングルドライバーの2倍にする「ダブルエアーコンプレッションドライバー」を採用。各ドライバーに直接つながるデュアルダイレクトケーブル、耐久性に優れたハイグレード・ファイバーメッシュOFCケーブル、アルミ/ABSハイブリッド防振構造ハウジング、ドライバー前後の音圧バランスを調整するデュアル・アコースティック・オプティマイザーなど、妥協を許さない設計やパーツ選定が行われている。

2基のダイナミックドライバーを向かい合わせに配置する

実際のサウンドは、音の解像度が非常に高く、広がりのあるクリアな中高域と深みのある重厚な低域が好印象。クラシックやジャズなどの魅力も余すことなく表現できるだろう。

AH-C720

AH-C720。カラーはシルバーとブラックの2色

銘機「AH-C710」の後継となるスタンダードモデル「AH-C720」には、1基の11.5mmダイナミック型ドライバー、上位モデルと同様の高音質設計を投入。さらに、ラジアル・カスケード・ダンパーにより、ケーブルのタッチノイズを軽減している。

サウンドは、高音から低音までバランスが取れており、とても心地良い。アタック感にも優れており、クラシックやロック、さらにはエレクトロなどの現代的なサウンドまでオールジャンルに対応できる。

AH-C620R

AH-C620R。カラーはホワイトとブラックの2色

AH-C720の弟分といえる「AH-C620R」にも、これらの特長がそのまま受け継がれている。アウトドアユースを意識した製品で、型番末尾「R」があらわす通り、リモコンを搭載。3ボタン式で、iPhoneに対応する。その音は、粒立っていて小気味よく、イージーリスニングにとても適している。手軽に良質なサウンドを楽しみたいユーザーにおすすめだ。

なお、3モデルすべてにComplyのイヤーチップ、4サイズのシリコン製イヤーピース(XS/S/M/L)、キャリングケースが付属する。

AH-C820、AH-C720、AH-C620Rの3機種は、高音質だけでなく、出し入れが簡単な新開発キャリングケースなど細部に至る配慮も大きな魅力

待望のフラッグシップヘッドホンやBluetoothイヤホンも参考展示

会場では、新たなフラッグシップヘッドホン「AH-D7200」や、防滴性能を備えたスポーツ向けワイヤレスイヤホン「AH-C160W」も参考出品されていた。

「AH-D7200」は、アメリカンウォールナット製のイヤーカップ、加水分解しにくい特製イヤーバッドなどを採用。発売は12月で、価格は未定となっている

AH-D7200

装着したところ

ハウジング内部の分解モデル

「AH-C160W」は、2012年発売の「AH-W150」から、さらなる高音質化・軽量化をはかるとともに、防滴性能を向上したモデル。発売時期や価格は未定となっている。発売時には、バリエーションカラーも用意する予定だ。

AH-C160W