イケア・ジャパンはこのほど、9月よりスタートする2017年度のテーマを「Inspired by EVERYDAY, Designed for EVERYDAY」と発表。リビングルームにフォーカスをあてた商品を展開していくことを明らかにした。そのテーマを象徴する3つのモデルルームを、都内で行われた記者発表の会場から紹介しよう。

現代人が住居に求めるもの。イケアの考えは?

"自由自在に暮らす"

1つ目のリビングルームは、"Liquid life(自由自在に暮らす)"。家族と一緒に過ごしている時も、同じ空間を共有しながら、それぞれがそれぞれのしたいことをしている自由な部屋を表現した。

手前に大きなテーブル、奥にソファがある"Liquid life(自由自在に暮らす)"のモデルルーム

テーブルでは子どもや両親が宿題や仕事をこなす

ソファは、オフタイムの家族がリラックスするスペース

イケア・ジャパンが東京を含む世界13都市の男女1万3,707人(うち東京は1,037人)を対象に行った家に関する調査「Life at Home Report」によると、「もし家で自由な時間ができたら、誰と一緒に過ごしたいですか?」という問いで、東京の回答者は53%が「1人で」と回答。13都市で最も高い結果となった。1人の自由な時間の確保は、現代の家族にとっても重要なテーマだ。

家族と同居する空間でも、関係性を育みながら無理なく自分の時間を楽しむ。そんな家族のあり方を感じるリビングルームだった。

"自然に暮らす"

2つ目のリビングルームは、"Greenery Life at home(自然に暮らす)"。忙しい毎日を送る都市部の人々のために、緑を取り入れることで安らぎを感じられるようなリビングルームを提案している。

観葉植物をふんだんに配置した"Greenery Life at home(自然に暮らす)"のモデルルーム

「Life at Home Report」の調査結果では、家の環境をよくするために必要な条件について、東京では「不快な香りを取り除く」が21%と最も高かった。呼吸する植物や、香りのある花は、部屋の空気を清浄にするための助けにもなりそう。

部屋の外にも植物に囲まれたリラックス空間を

キャンプなどで自然と親しみながらリフレッシュする時間を、家の中でも体験できる空間となっている。

"最小限で最大限に暮らす"

3つ目のリビングルームは、"Micro Living(最小限で最大限に暮らす)"。特に都市部では、居住スペースが限られていることが多いもの。たとえ自由に使える空間が限られていても、好きなものやことは我慢しないという生き方をかなえる部屋の提案だ。

"Micro Living(最小限で最大限に暮らす)"のモデルルームには、限られた空間で好きなことを楽しむ工夫が施されている

ソファはベッドに拡張可能

「Life at Home Report」では、東京の回答者の56%が「家の物を減らしたい」と回答しており、東京以外の都市の平均の27%よりもかなり高い。限られたスペースの中に必要以上のものは増やさず、自分のお気に入りのものに囲まれた生活を実現する、現代流の暮らし方と言えそう。

イケアが紹介した3つの暮らし方は、どれも現代人に必要な要素が詰まっているように思えた。1人で安らぎ、働く時間や、家族と一緒に憩う時間……。家で過ごすさまざまな時間が、分離せずゆるくつながっていくような暮らし方が求められているのかもしれない。

※記事中の情報は2016年8月時点のもの