ショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」は8月15日~18日の4日間、au Shinjukuとau OSAKAでバーチャル試着体験イベントを実施しました。8月18日0時から放映された番組「こんな服を待っていた 2016秋」を前に、番組で紹介する11アイテムをバーチャル試着できるモニターが登場。実際に試してみました。

au Shinjukuの特設スペース

マシンの前にある立ち位置に立つと、モニターに自分の姿が映し出されます。その場で手を挙げて、画面上に表示されるアイテムの中から試着したい服を選択すると、プリクラのように画面上で次々と試着できます。試着室への行き来や洋服の着脱の手間が省けるので、現実にはありえないスピーディーな着替え体験を味わえました。

手を伸ばして試着したいアイテムとカラーを選ぶ

身体を左右に揺らしたりしゃがんだりすると、その動きに合わせて洋服の映像も変化するので、よりリアルな試着体験が可能に。さらにQRコードを発行することで、スマホ上で試着画像の閲覧からアイテムの購入までできるようになっていました。

筆者も試着してみました。アイテムごとだけでなく、コーディネート一式をフィッティングすることも可能。40代~60代向けなので違和感はありましたが、対象年齢の女性にとっては人気のアイテム勢ぞろいで楽しめるかと

ショップチャンネルの利用者層は40代~60代女性が中心です。「バーチャル、スマホアプリイコール若者向けとついイメージしがちですが、バーチャルでの試着体験を本当に欲しているのは40代以上の女性」と語るのは、ジュピターショップチャンネルのオムニコンテンツ企画開発本部 副本部長兼オムニチャネル推進部長の中馬和彦氏。

テレビ通販をよく利用する顧客の中には、体型のコンプレックスゆえ店頭での試着を敬遠する人や、家事育児に忙しく店舗でのショッピングが難しい人が少なくありません。また「店頭での買い物はスタッフのおすすめなどに振り回されることがありますが、テレビショッピングでは自分で買い物の主導権を握ることができます。そのような通販ならではの強みと、実店舗の強みである試着体験を組み合わせたショッピングサービスが提供できればと思います」(中馬氏)。

今回のイベントの反応次第で、今後、他のauショップでも同様の体験会を検討するとのこと。将来的には利用者の身体や足型を3Dで採寸できる専用機を設置し、全国の大型au店舗で採寸会を開催する考えです。

身体を3Dで採寸し、バーチャルボディ化する機械

バーチャルボディに試着させるには、同様に製品の3Dデータが必要になります。ショップチャンネルはスチール撮影を内製でまかなっているため、採寸のコストは他社より抑えられると判断。「将来的にはスマホで身体を360度撮影して、自宅で3D採寸できればと考えていますが、ショップチャンネルの客層的には、まずリアルのauショップで採寸の機会を提供します」(中馬氏)。

またKDDIはauショップ内で体験会を実施することにより、ガラケー利用率の高い世代のスマホ・タブレット移行を勧める狙いがあります。

バーチャル試着アプリ

さらに中馬氏は「VRと連動し、バーチャル試着した状態で自分目線で着丈を確認したり、手元にジュエリーをつけたときの印象をよりリアルに体験できるようにしたい」と意気込みます。今はエンターテイメント分野で注目を集めるVRですが、通販分野にも応用できると考えています。

「バーチャル試着が普及すれば、通販体験の奥行きと可能性が広がります。技術的にはすでに実現可能ですが、今後トライアルを重ねていき、最適なサービスを提供したいですね」と中馬氏。テクノロジーが通販体験を変える未来は、そう遠くなさそうです。