説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『FaceTimeオーディオとGoogle Duo、どちらがいい?』という質問に答えます。

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Appleの「FaceTime」は、映像と音声でコミュニケーションを図るテレビ電話サービスです。Apple IDを目印に発信すると、iCloud経由で相手を呼び出し、応答があれば通話が開始されます。かつてはWi-Fi回線使用時でなければ通話できませんでしたが、現在ではモバイル回線で使えるため、行動範囲が大幅に広がりました。

しかし、FaceTimeはApple製品専用のサービスであり、Apple IDでサインインしている端末の利用が前提とされています。iPhone 4で登場して以降、音声通話のみの利用(FaceTimeオーディオ)が可能になるという変化はありましたが、他社製端末を呼び出すことはできません。

一方の「Google Duo」は、OSから独立したアプリとして提供され、Android OS版とiOS版が存在します。iPhoneユーザでも、iOS版をインストールすれば利用できるのです。アプリインストール時に入力した電話番号(Googleのサーバに保存される)を目印に通信されるため、Googleアカウントでサインインしておく必要はありません。ただし、FaceTimeオーディオのように音声通話のみの利用はできず、必ず映像と音声がセットのテレビ電話として使うことになります。

どちらがいいかとのご質問ですが、「テレビ電話の利用に抵抗がない」、具体的には「いつでも自分の姿を相手に見せてかまわない」という場合には、Androidユーザとも通話できるGoogle Duoのほうが便利でしょう。「音声通話だけを利用したい」、「毎回自分の姿をさらすのは気が引ける」、という場合にはFaceTimeオーディオを選択できるFaceTimeのほうがおススメできます。

もっとも、どちらのアプリ/サービスとも普及度の問題があります。Google DuoはOSに付属のアプリではないため、相手がインストールしているかどうかは不明です。OS標準装備のFaceTimeにしても、使いかたどころか存在すら認識していない人も珍しくありません。LINEなど通話機能を備えたアプリの存在も考えに入れつつ、結局は"仲間うちで使いやすいものを選ぶ"しかなさそうです。

Googleのテレビ電話アプリ「Google Duo」はiPhoneでも使えますが、音声のみの通話に対応しないなどFaceTimeと比較しにくい部分があります