ハウステンボスは、ロボットやIT技術を駆使した「変なホテル」の2号棟を来年3月下旬オープンする。場所は東京ディズニーリゾートのある千葉県浦安市の舞浜駅近辺となり、夢の国付近には未来感も加わりそうだ。

画像左:フロントイメージ、画像右:ホテル概観イメージ

変なホテルとは

変なホテルは昨年7月にハウステンボス内にオープンしたロボットホテル。ロボットがチェックイン・チェックアウトの手続きを行い、クロークではロボットアームが荷物を預かる。手荷物はポーターロボットが部屋まで運び、顔認証により室内に入室もできる。室内にはタブレットが設置されており、室内の照明を調節したり、館内の電話も行える。

ホテルの全業務をロボットやITに肩代わりさせられるわけではないが、昨年7月の開業時、30人いた従業員は効率化を進めたことで今や10人に減少。開業以降、宿泊棟を追加し、倍の規模になったにもかかわらず、従業員は減っており、将来的には6人まで減らしていく方針だ。

ロボット・ITという側面からだけでなく、ホテル運営の効率化という面からも注目を集める変なホテル。そんな宿泊施設の2号棟が進出するのは千葉県浦安市だ。東京ディズニーリゾートのある舞浜駅北口の徒歩圏内になるという。

2号棟では、ロボットアームやポーターロボットの導入は未定とするものの、オープン時点で受付にロボットを設置するという。客室はツイン50室、トリプル40室、デラックストリプル8室、コンフォートツイン2室の全100室。ビジネス用途は薄く、カップル、ファミリー向けとなりそうだ(ビジネス用途も謳うハウステンボスでもシングルはなし)。

なぜ舞浜か

テーマパーク付近という立地からか、カップル、ファミリー向けの色合いが濃いのは頷けるところだが、気になるのは、なぜ舞浜駅周辺を選んだのかだ。夢の国近くに、未来感たっぷりのホテルが登場、そんな見出しで話題を呼べそうだからだ。この点について「首都圏のホテルが足りていない。舞浜はたまたま」(ハウステンボス広報担当者)とする。しかし、"たまたま"であったとしても、大きな意味を持ちそうだ。

1号棟の開業から1年。当初から開業1年をノウハウの蓄積のために"溜め"の時期に位置づけており、変なホテルはこれまで展開を控えてきた。ただし、先々で待っているのは猛烈なスピードでの出店計画だ。2016年を基点に、3年以内に100棟を目指すとしている。テストから本番に移行する、その最初が舞浜の位置づけとなる。話題のニュースも1年経てばインパクトは薄れてしまう。話題の店舗を話題になりやすいエリアに出店し、大きな話題に結びつけ、今後の勢いに弾みをつけたい、そんな思惑はゼロではないだろう。本当にたまたまなのか、狙いなのか。いずれにせよ、2号棟の立地としての舞浜は面白い場所だと言えそうだ。